Go to contents

ホラー映画で初のワントップ主演…『黒い家』の俳優・黄政民

ホラー映画で初のワントップ主演…『黒い家』の俳優・黄政民

Posted June. 21, 2007 03:01,   

한국어

「あー、やぼったくて田舎っぽいからこそ黄政民(ファン・ジョンミン)でしょう。そんな血を受け継いだんだから、努力して変われワすか。私には足りないものが多いんです。家で家長がゴミの分離もできず、区役所で書類を取ることも不慣れで、だからといって父親の役割をしっかり果たすわけでもなく…。でも、完璧よりも、文句を言われて頭をかきながら暮らす方が楽しくないですか」

——映画を撮って封切りを待つ心情は、正直に言ってどうですか。

「本当に、いつも『何ともない』、『できることはすべてした』と考えたいんですが、それができない。毎回、興行を気にしない黄政民と戦々恐々とする黄政民が頭の中でずっとケンカするんです。マンガで天使と悪魔が争うように…。『黒い家』は初のホラー映画なのでなおさらです」

——昨年の映画祭受賞の感想が思い出されますが、今回も「スタッフが準備した食事」を食べてばかりいましたか。

「私はいつもそうです。スタッフの中で誰か一人が抜けても、いい映画はできません。だから私は、映画1本1本、出演する度に幸せです。一生懸命する理由は、存在感のためです。俳優は、舞台の上やカメラの前にいる時だけが俳優だからです」

黄政民氏は数年前、「サイコパス」(犯行を楽しむ精神病質者)を扱った貴志祐介の小説を読み、昨年、この作品が映画化されるといううわさを聞いた。その後、出演依頼が来たという。彼は、「保険会社の職員『チョン・ジュノ』役を受けたのは運命のようだ」と話した。

「私は、主演は初めてなんです。負担になればしないでしょうが、気にしない方です。ただ観客がチョン・ジュノを平凡な人と受け止めてくれたらと思います。映画を撮影しながら、保険関係者に会いましたが、眠っている夫の目に毒物を入れて保険金を手に入れようとした妻がいたそうです。こんなことが日常だと言うのだから、驚きませんか」

——では、映画のテーマは「サイコパスを理解しよう」になりますか。

「私は、この小説がなぜ生まれ、映画がよりによって07年に制作されたのか、その理由が気になります。『チョ・スンヒ事件』を見ても、あのような事件が起こる前に、隣人と過ごしていたじゃないですか。誰もがそんな人々の犠牲者になりうるので、社会がこれをフォローしなければいけない」

——もしかして、黄政民氏にもそんな残虐な二面性がありますか。

「それはそうですよ。私は、不思議なことに、団体で食事する時、食べ物を統一して注文しようと言うと、頭にきます。また、誰かが食べ物を投げるように置いたりすれば、私はその場で指摘しなければ気が済みません。中には私より体格の大きな人もいたりしますが、まあ、死ぬことはないでしょう」

『ユア・マイ・サンシャイン』『私の生涯で最も美しい一週間』『生死決断』などヒットを続けてきた彼だが、『黒い家』の興行は特に気になるという。『スパイダーマン3』以降7週間もハリウッド映画が韓国映画を抑えているためだ。しかし彼は「韓国映画だから避けるのではなく、面白くないからですよ。努力すればできないことはありません」と笑う。やぼったいのは相変わらずだ。

「私ももう40間近になりました。高校の時は40歳になれば、天下無敵の俳優になると思っていましたが、あらためて、その目標を50歳に延ばそうかと思います。ただ、俳優という職業は、便法や権謀術数でなれるものではないことを悟りました。偽りなく正直に演技してこそ、観客と気持ちが通じるということ。だから私は、今が一番重要だと思います」



bsism@donga.com