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「政治家の固執は自己フレームに閉じ込められているせい」

「政治家の固執は自己フレームに閉じ込められているせい」

Posted June. 16, 2007 04:57,   

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「私を変える心理学の知恵フレーム」(21世紀ブックス)は一見すると、最近ありふれている自己啓発書のように見える。この世を見髏Sの窓である「フレーム」を変えると、幸せになるというモットーは平凡だ。

しかし、ページをめくるにつれ、先入観に過ぎなかったことに気付く。実際の心理学の研究結果をベースに、勘違い、傲慢、偏見に満ちている我々の心の限界を赤裸々に見せてくれるテクニックが並大抵のものではない。

スタンフォード大学研究チームの「最後通牒」のゲームは、我々の心が周辺に環境にどれほど簡単に影響されるかを示す。例えば、参加者は1万ウォンを他の参加者と分かち合うことができる。実験の前にこのゲームを「ウォールストリートゲーム」だと言うと、自分に有利に分配した参加者が多かった。「コミュニティゲーム」と知らせた組では、公正に分け合った参加者が多かった。書類かばんと万年筆のような平凡な物さえ「心のフレーム」を支配した。このようなビジネス関連物を見た参加者の相当数が、自分にさらに多くのお金を配分した。

誰もが心の中で歌を口ずさみながら指で拍子を合わせる「指の演奏」をしたことがあるだろう。イエール大学の実験結果、参加者らは聴衆の50%が自分の演奏を聞き分けられると確信したが、実際は2.5%のみが聞き分けられた。著者はこれを「自己フレーム」と呼ぶ。自分のフレームでは正確であっても人のフレームでは曖昧に思われる。それで心理学者は「自分」が、世の中を眺める方式を一方的に決定する「独裁政権」だと位置づけた。

著者のチェ・インチョル・ソウル大学心理学教授の講義は、2005年、東亜(トンア)日報でソウル大学の3大名講義の一つとして紹介されたほど有名だ。現在、交換教授として米バークリーカリフォルニア大学に行っているチェ教授に「自己啓発書」を書いたわけを尋ねた。

「客観的な根拠よりは著者個人の経験などをベースに書いた自分啓発書が多くて残念に思っていました。反面、外国には学術書でありながら大衆向けでもある高品格の自己啓発書が多いです。根拠がはっきりしていながら品のある本が書きたかったです」

チェ教授は最近、財テク関連書籍ブームに警戒感を示し、「お金をどうやって稼いで管理するかにばかり関心を注ぐ財テクのフレームだけで世間を見るのは、我々の人生を偏狭にしてしまうものだ」と述べた。同氏は特に「自己フレーム」を警戒した。「私はあなたのことをよく知っているのに、あなたは私のことをよく知らないという思い込みと勘違いが政治や労使関係を含めて韓国社会にはびこっている」というもの。

この本はすらすらと読ませる平易な文章が特徴だ。チェ教授みずからが「自己フレーム」を克服しようと努力した結果だ。同氏は奥さんに数回原稿を読ませ、「あなただけのフレームに閉じ込められている」という言われながら、難しい文章を何度も書き直した。

チェ教授は読者に「意味中心のフレーム」を薦めた。「自分に起きている出来事の意味とビジョンを問うわけです。一冊の本を読んでも、真理に一歩ずつ近付いていると考え、掃除をしながらも、地球の片隅をきれいにしていると意味を与えながら生きていくと、もっと幸せな人生が送れるのではないでしょうか」



zeitung@donga.com