Go to contents

歴史の負債のない幸せな小説家たち

Posted June. 15, 2007 09:27,   

한국어


小説集「理想、理想、理想」と「我々は走る」を出版した小説家の朴ソンウォン(38)氏。氏は、「文学はある意味では無用の長物だ。最も重要な使い方といっトも、はさみを使って、誤って血が出たときの、急場しのぎの止血ぐらいだ。なのに、絵本はそれほど役に立たないものだから、あらゆる人たちを絶対に抑圧することはない」と文学の意味を遠回りに説明する。

朴氏は、「カバンは物を入れる道具なのに、それがルイビトンともなると、ある人は傷でもつくかと思って、なかなか持ち歩くことすらできない」としながら、「このように本物と偽物が逆転する現代を、文学であらわそうと努めることだ」と小説への考え方を明らかにした。

昨年、「落書き文学史」を発行した金ジョングァン(36)氏は、「小説は葛藤の産物と言われているが、実はそれがなかなか理解できず、人物同士の葛藤の局面を短く処理する」と、既成観念に反旗を翻す。さらに氏は「小説を書かなければ、なんだか虚しくなるので」文章を書くしかないと語った。

一昔前の世代とは異なり、小説を書くことは崇高なことであり、それについての使命を持つべきだとは思わないという李ギホ(35)氏。彼は、「一種のベンチャーなので、経済論理に巻き込まれないことだ」と、「職業としての小説家」を明快に定義する。「自分の文章が火炎瓶にならなければならないとか、祖国の統一に寄与すべきだという考えはもっていないし、だから、かえって幸せな世代なのではないか」と、氏は「文学を、しからずんば死を」と叫んだ先輩の世代とは一線を画す。

ソウル生まれなので一言の方言すら知らなかったうえ、分子生物学科出身なので、文学の道に足を踏み入れるのは容易ではなかったというシム・ユンギョン(35)氏。「文壇では高卒同然だが、それがかえってハングリー精神を刺激するようだ」と話す。生まれ変わっても再び小説家になるつもりか、もしくは、絶対に書かないつもりかという質問に金スム(33)氏は、「別に考えたことがない」としながら、大事なのは「今」だと語る。

「小説というものは祝福でもあり、のろいでもあるが、とにかく生きていきながらこだわる対象があるということにいつも感謝している」という。

「時には読者に不快感を求める」と、小説の意図を堂々と明かすベク・ガフム(33)氏。「作家は言語を持って読者を誘惑する存在」という明瞭な作家観を持っているオ・ヒョンジョン(34)氏…。若い作家たちはこの本を通じて、「我々は書き続けるつもりであり、他のことは付随的なものだ」と語る。若い作家たちと話し合った朴範信(パク・ボムシン)氏は、「彼らの告白や発言がどのように作品として出来上がるのか見守ることこそ、私たちの小説文学の未来だ」と感想を述べた。



kimjy@donga.com