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『韓国の建築、どうしてこうなのか』 金ジョンフ氏が建築批評書発刊

『韓国の建築、どうしてこうなのか』 金ジョンフ氏が建築批評書発刊

Posted May. 28, 2007 03:25,   

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医者にヒポクラテスの宣誓が重要だとしたら、建築家には「作家精神」の具現が重要だ。建築家の金ジョンフ氏の同書は、本としては珍しい建築批評書で、韓国の建築家の作業世界を真摯に省察する内容になっている。

韓国の建築に対する問題意識をもとに建築家が現場で経験する理想と現実の乖離を説明し、そのような中でもどうやってよい建築が作られたかを温かい視線で眺めている。

「韓国の建築、何が問題ですか。」著者はこの旧態依然で直説的な質問を自分に投げかけては再び、「韓国の建築は一体どうしてこの有様なのか」と問いて、韓国の建築の否定的な断面を探る。著者はそれに対する代案を探して提示することで、診断と解法を同時に伝える簡単でない道を選んでいる。韓国の大多数の建築家が口癖のように言っている批評不在の現実まで克服しようとしている、厳しい挑戦を企画しているわけだ。

また、批評家であるため時々聞かれる質問、「建築家の中では誰がいいですか」に対して、著者は有名な建築家から新人の建築家に至る取材源に対するバランスの取れた均衡感覚と彼らの作家的な態度に対する批判的な検証および意味付与の過程を経ながら、結論では彼が相手にする建築家のほとんどを、批評家の敵としてというより仲間としてネットワーク化している。これは批評家としての彼の可能性を確認する機会でもある。彼の文は、建築家に対する甘い批評または建築家の作業に対する排他的な検閲官としての地位を捨てて、建築に対する限りない愛情から出発する彼ならではの建築観を盛り込んでいる。

「韓国では建築がやさしいんでしょうか。」全国的に新しいモデルの都市づくりに向けて騒いでいるため、有史以来おびただしい物量の建築行為が同時多発的に行われている。断然、建築家なら誰でも嬉しい顔をしているべきだが、現実ではそうでない。建築事務所全体の5%に当たる大型設計事務所と、それと似たような水準の外国の設計会社が新しく造成される都市建築物量の90%以上を独占している。建築生産での富の偏りが、頂点に達している。

著者は同時代を生きている韓国の建築家と理論家に、現在、我々の周辺で何がどのようになっているかを積極的に観察して、ぶつかりながら生き残れる道を準備しようと主張する。

何よりも著者は、健康な建築が誕生するためには、建築家を理解して支持してくれる健康な建築主がいなければならないことに注目して、作家精神の具現が文化水準の啓発と密接な関わりがあることを強調する。

現在、建築出版市場で注目される大部分の著作は、建築家の書き物だ。たまに批評書が発刊されたが、反応は大きくなかったのが事実だ。他の芸術ジャンルに比べて評論家の存在が珍しいと認識される建築界で、「建築評論家・金ジョンフ氏」の出現を知らせる同書の意味は、韓国建築の希望を発見することに違いない。