Go to contents

自分だけの「とりで」のなかで妄想をそだてる

自分だけの「とりで」のなかで妄想をそだてる

Posted April. 23, 2007 09:29,   

한국어

バージニア工科大学での銃乱射事件を起こしたチョ・スンヒと関連して、引きこもり症候群に関心が集まっている。内向的で消極的な自分の子どもが、もしかしたら引きこもり症候群ではないかと心配する両親たちもいる。

●精神分裂、うつ病を伴うケースが多い

「引きこもり症候群」という名称は1970年代から日本で使われはじめ、1990年代末から社会的な問題となった症状だ。韓国でも大韓青少年精神医学会が今年2月、実態に関する報告書をまとめるほど増えている。

同症候群は精神分裂症や性格障害、うつ病などといった伝統的な精神疾患の範囲に入らない新しい精神課の病気だ。他人との対面接触がなかった期間がどれくらいかによって、患者であるかどうかを判断するが、日本では6ヶ月、韓国では3ヶ月以上だ。

大韓青少年精神医学会が昨年、引きこもり患者32人を対象に調査を行った結果、75%が1週間の期間、直接人と会わなかったと答えた。また、半分ぐらいが自分の気持ちを打ち明けて話し合える人がいないと回答した。「多くの人を相手にするのが気が重くて」、「口出ししてもらいたくないから」などがその理由だった。

代表的な症状は他人、とりわけ家族から被害を被っているという妄想だ。やりたくない勉強や仕事を両親などから強要されて、自分が被害を受けていると思いこんでいる。ひどい場合は、家族と別に食事をしたりもする。

社会的な接触がないまま空想を繰り返すことになり、「大それた事業計画」を立てたりもする。中学を退学した人が米国ハーバード大学への入学計画を立てるなど、誇大妄想の症状を見せるケースもある。精神分裂やうつ病、性格障害、不安障害などを伴うケースもある。

引きこもりだからといって皆が「問題児」ではない。実際に大韓青少年精神医学会が調査したところによると、患者の47%は学校での成績が普通だったり、よいほうだった。

ソウル大学病院神経精神課の金ブンニョン教授は、「盛んに社会活動をおこなうべき20、30代初頭の若者が両親から独立せず、ゲームや娯楽に夢中になったり、夜間にだけ活動する人々には、青少年期に引きこもり症候群をわずらったことがないかを疑って見なければならない」と語った。

●しかりつけたり、怒鳴りつけると状態はさらに悪化

そのような状況が目の前にある場合には、必ず専門家の診断を受けなければならない。学校への適応に失敗し、同年代との関係がうまくいかないのに、両親が子どもに怒鳴りつけたり家族のレベルで解決しようとしたりすると、引きこもりの人の攻撃性向がさらに強くなりかねない。

多くの引きこもり症候群患者は、他の精神疾患も同時に患っているので、専門家の正確な診断を受けると、薬物だけでのある程度は効果が出る。

家族の努力も必要だ。一人ぼっちの人を祖父や祖母など大家族に会わせたり、同年代の友だちを紹介してあげることなども必要だ。いじめで引きこもり症状が現れるケースも多く、子どもの学校での生活にも深い関心を示すべきだ。

引きこもり症候群の患者には怒鳴りつけるような話し方は好ましくない。父親は子どもをありのままに認め、母親は小言を言ってはならない。天気や芸能界、食事、趣味など、軽い話題を通じて家族同士の対話を取り戻すのがよい。映画への観覧を主導させるやり方で、子どもに些細なことへの責任を負わせる練習もしたほうがいい。

「生きる喜び神経精神課」の金鉉洙(キム・ヒョンス)院長は、「引きこもり症候群の一般的な治療期間は家族の手助けがあると1〜3年になる」としながら、「社会に消極的でもいいから、参加させたり、一つや二つ責任を負わせながら所属する集団や友だちを再び作る方式で、徐々に生きていける力を身に付けさせるべきだ」と述べた。

「アドバイス〓ソウル大学病院神経精神課の金ブンニョン・申敏燮教授、「生きる喜び」の金鉉洙院長」



artemes@donga.com