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子供の「学習マネージャー」になっている韓国の母親たち

子供の「学習マネージャー」になっている韓国の母親たち

Posted February. 23, 2007 06:49,   

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今年結婚する予定の大学院生のチョン・ジウン(28・女)さんは、先輩や知人らの育児経験談を聞くと、怖気づいてしまう。チョンさんは、「あらゆる胎教はもちろん、幼児体操や教育プログラムから『ネイティブ英語教師と相談するには、母親も英語の勉強をする必要がある』という話まで、まだ子供が生まれてもいないのに育児ストレスを感じてしまう」と話す。

クォン・スア(29、ソウル西大門区ヒョンジョ洞)さんは、満2歳になったばかりの子供をつれて、幼児音楽教室に通っている。授業の雰囲気が散漫なので本当に子供が学ぶものがあるだろうかと疑問に思ってはいるが、授業後にママ友だちと交わす各種の育児情報を聞いていると、競争から取り残されるわけにはいかないと思うようになる。これは始まりに過ぎない。

子供が小学校を経て、中学校に進学すると、勉強は大学入試に直結する。勉強が子供の人生を分けるという考えから、母親たちは子供の「オーダーメードマネージャー」になる。学習戦略や塾選び、時間管理、健康管理、子供の友だち管理までこなし、子供の将来を切り開いてやるために全力を傾ける。

主婦の李サンヒ(仮名、39、ソウル鐘路区付岩洞)さんは昨年、一人娘を特殊目的高校(外国語や科学、芸術などを主に学習する高校)に進学させた。周囲からは賞賛が絶えないが、娘の比較対象になってきた相嫁たちの子供が外国の有名大学やソウルの名門大に通っているため、娘が大学に入学するまでは安心できない。

李さんは、家の築年数が古く、交通の便が悪いため、家庭教師をつけるのが難しいと思い、学校と家の中間地点にオフィステル(事務室兼住居空間)を借りて「勉強部屋」を構えた。よりよい成果が期待できるのであれば、子供にその程度のことはやってあげなければならないと思っている。最近の母親たちは、先生に関するささいなうわさも逃さず、子供のライバルが通う塾の情報も漏れなくチェックする。ママ友だちの間で緊密な関係を築くのは不可欠だ。与えるべきことは与え、受け取ることは受け取る情報取引で「仲間外れ」にされれば、子供には致命傷となる。母親たちのストレスがたまるのも無理ではない。

ソウル永登浦区汝矣島洞(ヨンドンポク・ヨイドドン)に住む主婦Yさんは、「子供の能力がすなわち母親の能力、と思われる世の中であるため、成績のいい子供を持つ母親たちの威勢はすごい。プライドを曲げてでも教育情報を得なければならない時も多い」と打ち明けた。

かつて、主婦の優先順位が「家事の切り回し」だったとすれば、最近では「成功する育児」がクローズアップされている。このような状況の中で、競争から脱落した子供を持つ母親の疎外感は大きい。

ファン・ソンヒ(仮名、49、ソウル江南区大峙洞)さんは、「いくらサポートしても成績が下位止まりの高校2年の子供を行かせる塾がない。うちの子はどうして勉強ができないのか、私に何か問題があるのではないか、苦しいし、つらい」と話す。

子供にすべてを託し、自分の人生はないため、老後が心配だという母親もいる。ナ某(42、京畿道城南市)さんは、中学生の子供2人を昨年9月から米国に留学させている。貧しい家計だが、子供の将来のために、親がしてやれる最善の決定だと信じている。ナさんは「老後への備えがないため、みすぼらしい老後になるのではと不安だが、仕方がなかった」と述べた。

専門家らは「親と子供が協力して相乗効果を出し、スーパーママ、スーパーキッズではなく、パワーママとパワーキッズになるようにしなければならない。母親は子供の助力者であってマネージャーではないことを肝に銘じてもらいたい」と話す。宗教活動や多様な趣味活動を通じて母親たちも自分の仕事を見つけることが、子供に独立する機会を与えることにつながると付け加えた。



elleshe9@hanmail.com