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お金の話で警戒心を崩し、子どもの声をずっと要求

お金の話で警戒心を崩し、子どもの声をずっと要求

Posted February. 01, 2007 06:58,   

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1日に封切られる『あいつの声』(パク・ジンピョ監督)は、1991年に起きた9歳の李ヒョンオ君の誘拐事件をテーマにした映画だ。電話で声だけ残す犯人(カン・ドンウォン)を結局捕まえることができず、見終わった時に観客を切なくさせるこの映画は、幼い子どもを持った親の観客には格別の思いがすることだろう。誘拐事件を解決した経験のある刑事と、この映画を一緒に見た。記者と刑事は映画の中の誘拐事件と犯人の特徴、被害を受けた時の対処要領などについて話を交わした。

▲記者〓誘拐犯は犯行翌日に子どもの家に電話をし、「すべて見ています。あなたたちの一挙手一投足を。警察に届けたんでしょう」と話して、(すでに届けた)家族を驚かせます。

▲刑事〓それが犯人らが使う手口です。初日は「警察に届けたりすれば、子どもを殺す」と脅かし、次に電話する時はいきなり「届けたことを知っている」と断定的に叫びます。家族の反応を見るためです。荒ててはなりません。「決してそうではない。届けると子どもが死ぬのになぜ届けることができるか」と躊躇せずに答えて、犯人を安心させなければなりません。

▲記者〓映画では、家族が犯人との電話時間をなるべく長引かせるように警察が求めます。

▲刑事〓電話の発信地を追跡した後、該当の電話機のある所まで警察が到着するのにかかる時間を確保するためです。犯人の目的は主にお金ですからお金の話を切り出せば、犯人の警戒心をやや崩すことができます。「今、社債でお金を用意しようしているが、お金になるまで1日さらにかかる。どうすればいいのか」という風に、自分がお金を準備しているという事を具体的に話すと、犯人の関心を集めることができます。

▲記者〓残念にも子どもは誘拐して1日後に殺されました。しかし、親は子どもの死を知らないまま、あらゆる努力を傾けます。子どもの生存可否を親が知る方法はありませんか。

▲刑事〓一応、犯人に子どもの声を聞かせてほしいと求めなければなりません。犯人が「子どもが他の所にいて、今声を聞かせることができない」という場合には他の方法を講じなければなりません。子どもの誕生日、担任教師の名前、一番親しい友達の名前のように子どもと親だけが知っている事を犯人に聞き「子どもに聞いた後、次の電話の時に答えてほしい」という風に確認しなければなりません。

▲記者〓親たちは子どもたちに「知らない大人に絶対についていくな」と事前に教育させることです。しかし、誘拐犯が力を利用する場合は子どもとしても不可抗力です。このような場合に備えて親が子どもに前もって注意させる事などはありませんか。

▲刑事〓誘拐犯が面識犯の場合には、子どもを最初から殺害する場合が多いです。子どもを返してもどうせ自分の身分が露出するからです。面識犯でない場合は、子どもの行動が自分の生存可否を決める重要な要素になります。犯人本人が露出する可能性が少なくなると、それほど子どもが命を保存する可能性が高いのです。子どもが泣き続けたり、子どもが犯人の顔を明確に知ることになった場合は、危ないです。犯人が殺害の意図がなかったとしても、子どもの命を奪う可能性がそれほど大きいですね。それだけに子どもに、△隔離された空間に誘拐犯と一緒にいるようになれば、わんわん泣かずに話に従うこと、△首を下げて犯人の顔をなるべく見ないことなどを、あらかじめ熟知させる必要があります。人の多い所なら、当然叫んで助けを求めなければなりませんが。

▲記者〓映画の中の犯人をどう思いますか。

▲刑事〓犯行後44日間、計87回にわたって家族に電話をかけたことからして、事前準備が緻密ですね。それほど捕まらない自信があるとの話ですから。△感情の起伏がない点、△尊敬語をずっと使う点、△「お金だけ回収できれば、子どもはすぐドッキング(「合わせる」という意味で犯人が使用)させます」という言葉を繰り返し使いながら、「ドッキング」という独特の単語で、親をむしろ不安にさせる点などからして、冷情で残忍で知能の優れた奴です。しかし、もうこのような事件は、私たち警察によって必ず解決されます。すでにマスコミに報じられた内容でもありますが、警察は犯人の乗った車が通り過ぎたトールゲートで通行券をすべて回収し、指紋調査まで行います。結局、犯人は捕まります。必ず捕まえます!



sjda@donga.com