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3年ぶりにアルバムをリリースした歌手・朴ヒョシン

3年ぶりにアルバムをリリースした歌手・朴ヒョシン

Posted January. 31, 2007 07:09,   

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「歌い方を変えると、新しい人生が開けたようですね」

「ウウウ」という、いわゆる「牛追い唱法」の本家歌手は、今後「牛追い」はしないことに決心した。いわゆる韓国流のリズム・アンド・ブルースが羽振りを利かせている音楽界に対して、彼が出した極端な措置だ。デビュー7年目に、彼がこのような歌い方を諦めた理由は一体なんだろうか。

「気楽に歌いたかったんです。これまでは大げさなこともいっぱいあったし、自分でも気になったことが少なくなかったんです。ソウル(Soul)をもとにしたバラードの音楽を作りたかったのですが、ようやく第一歩を踏み出すことができました」

「牛追い」唱法の本家歌手、朴ヒョシン(26)の過去を振り返ってみると、彼が感じた負担も分かるような気がする。00年、「やってあげられないこと」でデビューした朴ヒョシンは、年齢に合わない太い声と「ウウウ」というアドリブの歌い方などで人気を得た。それ以来「憧れ」「いい人」「あそこに立って」などのヒット曲で、朴ヒョシンの牛追い唱法はその度を増していった。この歌い方はSGワナビーやバイブ、KCMなどの後輩歌手たちによって大衆化され、「今ややりすぎ」という指摘があちこちから聞こえる。

朴ヒョシンが思いついた解決策は、「さっぱりした味」。3年ぶりにリリースしたアルバム「ザ・ブリッジ・オブ・シー」は、従来の「朴ヒョシン流のバラード」を思い浮かべないほど軽く、楽になった。

「アルバムの発売周期としては相当長い3年がかかりました。それだけ自分を無心にするのに時間がかかったというわけですね。また、その間、所属事務所との問題で訴訟に巻き込まれて、気苦労もありました。でも幸いに、丸く収まってアルバムを出すことができました。でもいざ出してみると、(空白が)長かったですね」

デビュー7年ぶりに朴ヒョシンを楽にさせた主人公はほかならぬプロデューサーのファン・ソンジェ。アルバムのタイトル曲「思い出は愛に似ている」は、朴ヒョシンとファン・ソンジェの共同作品で、アクスティックなリズムに古典的なサウンドが目立つ。かつてのように声の重さで力いっぱい抑えていた朴ヒョシンではない。また、ドラマ「ごめん、愛してる」のテーマ曲「雪の花」の作曲家である松本リョウキの作品「こだま」は、100時間以上かけて収録するほど力を入れた大曲だという。

また軽快なビットの「憎めよ」やピアニスト・チン・ボラの演奏が一際立つ「エチュード1」や「ララバイ」、小さい時、母を懐かしむ気持ちで作った「1991年の寒い風の吹いた夜」など、いたるところで朴ヒョシンの息吹が感じられる。

「シンガー・ソング・ライターやプロデューサーなんて、以前は他人事だと思っていました。自分はただ歌さえ歌えばいいと思っていたけど…。でも今は変わり目ですね。今回のアルバムからは、大衆歌手として自分が作っていく音楽についての責任や負担を感じなければならないから。マニア向けの音楽より、大衆の目線との適切な接点を求めて、自分の色を出すのが宿題でした」

先輩歌手イム・ジェボムと比べられるほどの太い声とテクニックを誇った歌手朴ヒョシン。ひょっとすると、かつての朴ヒョシンの人気はその声のおかげだったかもといっても過言ではない。しかし、「牛追い」唱法に没頭すればするほど、彼の歌は記憶に残らない。もう朴ヒョシンも年を取ったようだ。自分なりに悩んですごした3年の歳月のおかげなのか、彼は次第に柔らかくなっている。アルバムのタイトル「ザ・ブリッジ・オブ・シー」(The breeze of sea)のように、穏やかな波を起こす風のように朴ヒョシンも変わっていた。



bsism@donga.com