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映画『最強のロマンス』の女優 ヒョンヨン

映画『最強のロマンス』の女優 ヒョンヨン

Posted January. 25, 2007 07:36,   

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映画『最強のロマンス』の試写会の日、女優のヒョンヨンは「歌を歌いましょう」と言いながら演奏なしで映画のテーマ曲を歌い始めた。観客たちはくすくすと笑ったが、ヒョンヨンは懸命に歌った。軽々しさや正直さ、やむことのない「無鉄砲さ」に代表される彼女の姿から、言いようのない「真心」が感じられた。

コメディー映画『最強のロマンス』で、初の主演を果たした女優のヒョンヨンに20日、ソウル地下鉄2号線の江南(カンナム)駅周辺のある喫茶店で会った。ヒョンヨンは、刑事カン・ジェヒョク(李ドンウク)とことあるごとにぶつかり合いつつ、彼のことを好きになる新聞社社会部の記者チェ・スジンの役を演じた。

●「涙を流す演技のためトイレで練習」

意図的に気にさわる質問を投げ続けたが、ヒョンヨンは自信を持って切り返した。

——やむことのないその無鉄砲さはどこから来るのか。

「私はいままでそういう人生を生きてきたの。うまくできるかどうかわからなくても、やりたいことは何があっても絶対にやるのよ」

——映画『やくざの女房3』を「ヒョンヨンが救った」と言われているが、その個人技が今回も引き続き発揮される。

「チェ・スジンという役柄は私に似てるの。私は感情表現の豊かな女よ。分別がないように見えるかもしれないけど、後半部に注目してもらいたいわね。これまではバラエティー番組に出て、明るい姿ばかり見せてきたけど、自分にも感情があって、悲しみもある人だということを見せたかったの。感情の演技がとってもしたくて、トイレで一人で泣く練習もしたわ」(映画の後半で、ヒョンヨンは涙の演技も見せてくれる)

——あなたの行動を「やり過ぎ」という人が多い。

「最初は『わざとあんなふうに振る舞ってる』と言われたけど、めげずにずっと同じ姿を見せてたら、反応が変わってきたわ。自分のほんとうの姿を隠してわざとらしく振る舞ってたら失敗したでしょうね」

——女優と言うよりも「エンターテイナー」と呼ばれている。

「本当に下手だったらそんな言葉も聞けなかったでしょ。もちろん、演技を通しての変化を見せるにはまだまだよ。だから頑張るの。でも、人からどう見られるかにはこだわらないわね。アドバイスは受け入れるけど、人の目だけを気にする人生は生きたくないから」

●「オプラ・ウィンフリーのような司会者になりたい」

——結局、いちばんやりたいことは何なのか。

「もちろん女優。2番目は、飾り物じゃない本物の女性司会者。オプラ・ウィンフリー(米国の有名なトーク番組の司会者)は、過去の苦労のおかげか、母親みたいにゲストの傷心を抱きしめてくれる。母性愛でゲストを抱きしめる司会者にもなりたいわ」

——初主演の感想は…。

「うれしすぎて変になっちゃったわ。脇役やカメオだけで9本も撮ったの。主役はロケに行くと名前の書かれたイスも用意してくれる。なのに、いざ封切が近づくと、緊張しちゃうわ。ベストを尽くして成功するようにがんばりたいわね。舞台挨拶は何百回でもいとわずにやるつもりよ」

——映画の中では記者だが、「記者を馬鹿にする」シーンもある。

「お酒に酔っぱらうことはあるけど、自分の意図とは関係なく報じられた記事のせいで心を痛めたり、最後まで取材者に対して責任をとろうとする姿も出てるわよ。どうしてそういうシーンには注目してもらえないの?映画の中には礼儀知らずの女性シンガーや麻薬中毒の男性歌手も出る。それは芸能人への侮辱じゃないの?お願いだからコメディーとして見てほしいわ」

——その声のせいで、コミカルな役ばかりやらされるのでは。

「声は外見と同じよ。演技のじゃまにはならないわ。声がハイトーンの弁護士もいるんじゃない?」

ヒョンヨンは毎日テレビ局に出向いては、プロデューサーに挨拶できる5分間をねらい、大学路(テハクロ)の劇団で芝居をし、ほぼすべてのケーブル・チャンネルを転々としながらリポーターとして走り回った時代のことを話しながら、「言葉には魂がある」と強調した。「あの子はだめ」「好きになれない」という話を数え切れないほど聞かされながらも、前向きに考えると肯定的な話が出て、本当にそのようになったと言う。「私もいつかは必ず」と数え切れないほど繰り返しているうちに、いつの間にか現実となったと語るヒョンヨンからは、強い「肯定の力」が感じられた。



yourcat@donga.com