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韓国の伝統家屋で韓国の文化を知る「コリアン・スタイル」

韓国の伝統家屋で韓国の文化を知る「コリアン・スタイル」

Posted November. 24, 2006 06:50,   

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「韓国文化から学んだことが多く、少しでもおすそわけしたかったんです。慣れ親しんでいるため、ついおろそかになりがちですが、少しだけ関心を持てば自分が持っているものがどんなに大切なのかを感じることができるはずです」(日本人主婦のマーシャ・イワダテ)

「米国での生活が長かったため、韓国文化についてはあまり知りませんでした。今回の作業で自分のルーツを再発見したわけです」(韓国人主婦の金ウンス)

レストランコンサルタントのマーシャさんと、ギャラリーのキュレーターの金ウンスさん(38)が韓国全国の伝統家屋を訪ねてその美しさを細かく紹介した画報集「コリアン・スタイル」を出した。西洋にオリエンタルスタイルを紹介することに力を注いできた50年の歴史を持つ米タートル出版社が刊行したこの本は、米国の一般の人々をターゲットにした本格的な韓国文化の手引書だ。

安東(アンドン)の屏山(ピョンサン)書院、ソウル鐘路区苑西洞(チョンノグ・ウォンソドン)の空間社屋、東崇洞(トンスンドン)の鍵博物館などの建物から、建築家、事業家、ファッションデザイナーなど、様々な生活人の住処となっている韓国伝統家屋24ヵ所を写真作家の李ジョングンさんが繊細にカメラに収めた。建築美よりは、家の隅々に潜んでいる韓国的なインテリアに焦点を当てた。

金さんら三人は、撮影の日には対象となる家のトイレの掃除から、掛け布団にアイロンをかけることも辞さない熱心さで約2年間、作業を続けて本を完成した。

「環境にやさしいとか、簡潔さ、節制といったものは、よく日本的文化と考えられがちですが、本流は韓国です。伝統とモダンが融合している韓国の小物の特別な味はいうまでもなく、同じ空間が寝間になったり、居間になったり、客間にもなる建築の柔軟性は素晴らしいです」

米国で生まれ、ドイツ人の祖父、日本人の父、韓国人の夫を持つマーシャさんはまさに「地球人」だ。日本生活デザイン分野の代表的なアーティストと認められている同氏は、「特定の地域にとらわれない『血統』のおかげ(笑)で、客観的に文化を捉える目が育った」とし「韓国文化とライフスタイルの核は、バランスと柔軟性、そして自然さ」と話す。

中学1年の冬に渡米し、西洋美術史を専攻した金さんは、約20年ぶりに帰国し、国内のギャラリーで3年間、キュレーターとして働き、西洋美術を韓国に紹介する仕事をしていた。

「海外のアーティストたちが展示の際にソウルに来ると、みんな『韓国文化からインスピレーションを得たい』というんです。過密なスケジュールを割いて博物館や故宮を訪ねるけど、限界があったんですね。家という空間は、その国の人々の生活文化の究極、と考えたので、本を出してみないか、というマーシャさんの提案を快く受け入れました」

二人が考える「家」の美学は「備えること」だろうと思っていたが、意外にも「捨てること」という答えが返ってきた。

「いくら高くてきれいな家具であっても使い勝手が悪いと、ただの置物になってしまいます。思い切って捨てることは引っ越しの時だけでなく、しばしばする必要があります。捨てられない場合には隠すべきですね。家で最も重要なのは他ならない収納空間です。舞台の幕の後ろの空間が重要であるようにですね」



angelhuh@donga.com