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大西洋とインド洋を分ける希望岬、パラダイスに至る門

大西洋とインド洋を分ける希望岬、パラダイスに至る門

Posted November. 18, 2006 04:17,   

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11時間10分。香港を出発した南アフリカ共和国航空機がヨハネスバーグ空港に着陸するまでかかった時間だ。このようにアフリカは遠い。それで、旅に出るのが簡単でない。しかし、そのような点がむしろ好奇心を刺激する。南半球の南アフリカ共和国は今、晩春。すぐ夏になるから、韓国からの旅人には真冬の旅行としては最高だ。

長い飛行だが、幸いなのは夜間運航という点。朝、目を覚ます頃は、飛行機はヨハネスバーグ空港に近付く。この時、逃してはいけない風景一つ。ガラス壁に反射した朝日で、夜明けに燦然と輝く金融街の摩天桜の森だ。地球の「金、ダイヤモンド市場」という都市の姿を、これより明快に見せてくれるものはない。

●希望の都市、ケープ・タウン

大陸南端から北の方へ2000km、東のインド洋海岸から西の内陸に1500kmにわたる広々とした地、南アフリカ共和国。ケープ・タウンはこの国で一番美しく住み心地の良い港町だ。

気候は、内陸(半砂漠気候)と違って地中海性を帯び、自然風光はカリフォルニア海岸に似ている。それで、絶対少数の白人が、人口の大半を占める黒人を支配したアパルトヘイト(人種隔離政策:1994年終結)時代、ここは白人たちの楽園だった。

ケープ・タウンの名所と言えば、ウォーターフロントとテーブル・マウンテンだろう。バーソロミュー・ディアスの希望峰発見(1488年)、バスコ・ダ・ガマのインド航路開拓(1498年)以後始まった大航海時代。ケープ・タウンは、欧州を出発した全ての船が、インド洋横断に先立って物資を補充した補給港で、その現場がウォーターフロントだ。テーブルベイに位置付けられたこの由緒ある港は、サンフランシスコ(米国)のピア39より美しく、シドニー(オーストラリア)のダーリングハバーより愛らしい。

テーブル・マウンテンは、ケープ・タウンの屋根みたいな山。ケープ・タウンがあるテーブルベイを後から護衛するような形だ。「テーブル山」という名前は、その外観から付けられた。山腹を水平に切り取ったように平たい山頂の形がそれ。ある人は誕生ケーキに似ていると言った。山頂まではロープウェー(ケーブルカー)で上がるが、そこから眺める海岸の景色は世界最高と言える。

ウォーターフロントの正面からは、ゴルフ場の「アイルランドグリーン」を連想させる平たい島、ロビン・アイルランドが見える。ネルソン・マンデラ前大統領がアパルトヘイト時代に投獄された監獄島だ。

●希望峰に対する誤解と真実

一般的に間違って知られている常識一つ。「希望峰=アフリカ大陸の最南端」は間違っている。

大陸最南端は、希望峰から東の方へ200km離れた地点のケイプ・アグラスだ。「希望峰」という名前も間違っている。「峰」ではなく、「岬」(海に向け突出した地形)だ。

希望峰に行ってみるとよい。峰はない。海に突き出た岩絶壁があるだけだ。これが英語で、「ケープ・オブ・グッド・ホープ(Cape of Good Hope)」と命名された希望岬の一番端、ケープ・ポイント(アフリカ大陸の最西南端)だ。ここは、ケープ・タウンを訪れた旅人が、「必ず」回ってみる日帰り自動車旅行コース。途中で寄るところが多い。数千羽のペンギンの群れと一緒に住む海辺村、オットセイ数千頭がのんびりと昼寝をする石島、すばらしい風景の海岸道路、海岸絶壁の素敵なレストランで味わうシーフード・ランチなど。

希望岬は、「ケープ・フェニンシュラー」という半島地形の最後。巨大な丘陵の山の向こうがケープ・フェニンシュラー国立公園地域だが、行ってみると、草原でぶらつくバブン(猿の一種)の群れとダチョウも見られる。希望岬地域は意外に広い。インド洋の方は海岸絶壁を成し、大西洋の方は山すそが海岸までつながれている。小さな灯台が設置されたケープ・ポイントは岩絶壁だが、ここが公式的に、アフリカ大陸の東側のインド洋と、大陸の西側の大西洋を分ける基準点となる。記念品として売っている「二つの大洋空気」カンがそれをよく言ってくれる。海岸には北緯と南緯、そして英語と土俗語で希望岬の位置を表示した道しるべがある。希望岬に行ってきたという証明写真の撮影場所にはもってこいだ。山頂にはもう一つの灯台があるが、そこまでは階段やロープウェーで上がる。



summer@donga.com