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「二種芸術家」3人のギターコンサート

Posted November. 10, 2006 07:07,   

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「いじめられっ子」たちが集まった。彼らは金ヒョンテ(41)さん、ソン・ギワン(39)さん、朴ミンギュ(38)さんの3人。23日にソウルの弘益(ホンイク)大学前のライブハウス「キャッチライト」で開くコンサートを控え、集まった。

朴さんの小説『ピンポン』の発刊に乗じて「遊ぶ」ためだそうだ。三人は『ピンポン』の主人公である10代の「いじめられっ子」のように、「おいらは世間から仲間外れにされている」者と自ら宣言する。

7日、弘益大学前の金さんの作業場で3人に会った。「私たち、音合わせしなければならないんですが…」という金さんに、「あれ、音合わせするの?」と目を丸くするソンさん。「俺はコンサート当日まで非公開よ」という朴さん。3人とも、まったく先が読めない。

「無規則異種芸術家」という表現がふさわしい。「ファン・シンへバンド」のリーダーである金さんは数回の個展を開いた画家でありながら、二冊のエッセイ集を出している。ソンさんは、インディーズバンド「3号線バタフライ」のギタリストである一方、詩人・ポピュラー音楽評論家としても活躍している。「『居間でのギタリスト』だったけど、今度デビューする」という朴さんは、文壇でギターマニアとして知られている。

「本を出すとサイン会や朗読会、著者とのミーティング、こんなものばかりするじゃないですか。それとは違う姿を見せれば、読者たちももっと面白く身近に感じるだろうにね。作家は文章を書いたり話したりするだけではなくて、他のこともできる、そんな姿を見せたくてコンサートーを開くことにしたんです」(金ヒョンテ)

三人の親交が始まったのは8年前。「私たちはですね、自分の畑は苦手ですよ。ヒョンテさんも絵画を専攻したけど、絵一本筋はいやだというし、私も詩ばかり書いているわけではなくて、とんちんかんなことやっているし。ミンギュ君もこの間『ふざけるな、いい加減目覚めろ!』という寄稿(韓国文壇に対する痛烈な批判だった)をしたんですね。みんな権威的なものが大嫌いなんです」(ソン・ギワン)

「専攻以外のことは何も知らずに生きていくのがいやだったから」この3人はギターを手にした。「音楽をするときには、芸術性を認められなければならないという強迫観念から自由になれるから幸せ」と3人は口をそろえる。

「私はですね、小説家は60歳までにやめるつもりです。その後はギター生活オンリーの『元小説家のギタリスト』になるんです。歳を取って、いい文章が書けなくなると元小説家じゃないですか」(朴)

「活字とポピュラー音楽の関係が…」と質問しようとすると、みんな手をひらひらさせながら「私たちがやっているのは、クロスオーバーではありませんよ。ギターを弾くこと、文章を書くこと、すべてが同じ芸術です。『歌手が本も出した』だの、『詩人がギターも弾く』だの、そんな話はこれからは出ないと思います。文章も書くし、絵も描き、写真も撮る『無規則異種芸術家』たちが生まれつつありますからね。『一本筋30年』はもう通じない時代になったんですよ」(金)

「今夏に欧州に行ってきたんですが、街角でギターを弾いたりするんですね。あまりうまくもないのに(笑)。それを見て思いました。思うままに小説を書いてみよう、思うままにギターを弾いてみよう、と」

朴さんは「下手だったらどうしようと心配したくなかったので、舞台に立つことにした」としながらも「足がふらふらするのではないか心配」と付け加える。

ソンさんは言う。「『お前たちはいろんな才能があるからそんなことができるのではないか』という話も聞きますが、こう言い返したかったですね。『お前たちはこの道を進むべきだ』、『韓国ではそうしなければならない』。私たちはそのような教育を受けて大人になりました。しかし『本当にそれでいいのか』という疑問を持つことで私たち3人が意気投合したわけですね。長かったためらいの結果と言えますかね」

コンサートでは、ギタリストのシン・ユンチョルとソウル電子音楽団の共演もある。インターネット書店の「教保文庫」、「YES24」、「アラディン」で小説『ピンポン』を購入する読者(先着1000人)には入場券が配られる。問い合わせは、031—955−3326まで。



kimjy@donga.com