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ピーターパン、フック船長のコートを着た?

ピーターパン、フック船長のコートを着た?

Posted October. 21, 2006 07:17,   

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ピーターパンが日の目を見てから100年あまりが過ぎて出された「公式」的な続編だ。ほかの続編とは違って、この本が「公式」とみなされるわけは次のとおりだ。

スコットランドの作家ジェームズ・マチュ・ベリ氏は、1904年発表したピーターパンの版権と登場人物についての知的財産権をロンドンのグレート・オーモンド・ストリート児童病院に手渡した。

運用資金が必要だった病院では、ヨーロッパ連合(EU)の知的財産権の満了期限の2007年までは続編の発行を決め、2004年、全世界の作家を対象に公募して末、英国の児童文学家のジェラルディン・マッカーレン氏を「公式」的な続編の作家に選んだ。

マッカーレンの続編は、主人公たちがネバーランドを離れてから20年経った時点から始まる。

ウェンディは母親になった。親の不注意で孤児になった少年たちも、裁判官や医者、国会議員に成長して、「ジェントルマン・クラブ」のメンバーになっていた。彼らは毎晩、ネバーランドが出てくる悪夢を見始め、「これ以上悪夢を見たくなければ、間違っているものを見つけなければならない」として、ピーターパンのあるネバーランドに帰る冒険に出る。

原題の「橙色の服を着たピーターパン(Peter Pan in Scarlet)」からも分かるように、続編では、服に注目すべきだ。前編の緑の服を脱ぎ、フック船長が大事にしていた橙色のコートに着替えたピーターパンは次第にフックに似てくる。

成人した少年たちがネバーランドに帰るために、飛べる子どもに変身する方法も、すなわち子どもたちの服を着ることだ。自分の娘のバレー服をひそかに着たトゥートルズ判事は女の子に変身し、子どものいないスライトルリー議員は服がないのでネバーランドへの旅たちすらできないでいる。

小説のピーターパンは成長を拒むピーターパンや、母性愛を発揮しなければならないとの強迫観念に取り付かれているウェンディ、抑圧的な父親を象徴するフック船長など、子どもと成人することとの意味を考えさせる魅力溢れるキャラクターを作り出した。続編もやはり前編の比較されながら、成人することについての多層的な解読コードを秘めている。

訳者のチョ・ドンソプ氏は続編について、「(前編の)大人の世界に対する冷笑的な観点から離れて、調和しながらの自然な成長を物語っている」と評価した。 金聖坤(キム・ソンゴン)ソウル大学教授は作品の解説で、「続編を読みながら読者たちは原作の単純な善悪構図を離れて、複合的な見方と構図で、ピーターパンとフック船長を眺めることになる」と解釈した。

ワニに食べられたフック船長が続編のどんな人物として蘇るか推理してみる楽しさが加わったことも、前編と違うところだ。



ecolee@donga.com