正面を見つめ、涙をいっぱいためた少女の大きな目が、目と心を捉える。表紙の絵のことだ。イラストレイターのチェ・ジョンイン氏が、華やかな色合の絵本を披露した。バリ王女の波乱万丈の人生が色と線のあざやかな変化で、そのまま伝わってくる。
金勝熙(キム・スンヒ)詩人は、リズム感のある文体で、巫俗神話を聞かせる。オグ大王は、続けて娘が生まれると、7番目のバリ王女を玉箱に入れて川に捨てる。貧しい老夫婦がそれを拾って、手塩にかけて育てる。
オグ大王は、ひどい病気にかかり、あの世の薬水を探さなければならない仕事が残る。結局、捨てられたバリ王女が、この仕事を引き受け、つらい旅に発つ。金詩人の初めての絵本だそうだ。
強くて哀れなバリ王女というキャラクターが、最近の子どもたちの目にどのように映るだろうか。
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