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「弁膜成形」のタイミングを逃すと人工弁膜に交替

「弁膜成形」のタイミングを逃すと人工弁膜に交替

Posted August. 14, 2006 03:07,   

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10日に会った会社員金サンジン(仮名、50、競畿安養市東安区ビサン洞)氏は、1週間前に心臓弁膜を復元する手術を受け退院するところだった。

金氏が身体に異常を感じたのは3月初めにソウル冠岳山(クァンアクサン)に登った時。普段は5、6時間で山に登っても大丈夫だったが、同日は初盤から息切れがし、1時間ほど経つと息切れがさらにひどくなり、登山をあきらめるしかなかった。

数日後、金氏は町内の病院を尋ねてレントゲン撮影をした。同病院の医師は「心臓に腫れがあるから大学病院を尋ねるように」と助言した。金氏はソウル江南区逸院洞(カンナムグ・イルウォンドン)の三星(サムスン)ソウル病院を尋ねた。

三星ソウル病院側は心臓超音波検査を通して心臓弁膜症の診断を下し、手術を勧めた。正確な病名は「僧帽弁膜閉鎖不全症」。心臓のポンプ動作によって開閉されるべき弁膜がよく閉まらなくなる病気だ。

階段や山を登る時を除いては普段何の症状もなかった金氏は、「生活に不便さがあまりないのに手術を受けなければならないのですか」と質問した。

朴表源(パク・ピョウォン)心臓血管センター長は金氏に心臓を撮った超音波写真を見せた。

「ここに心臓が見えますね。中央を中心によく見れば左側が右側より1.5倍ぐらいあります。心臓が腫れたからです」

センター長は心臓の機能と弁膜の機能について説明を付け加えた。

「全身を回って酸素を使い切った静脈の血は、心臓の左側に入って肺に行き、新しい酸素の供給を受けて動脈の血になった後、心臓の左側に入って全身に広がります。左側の心房と心室の間に僧帽弁という弁膜があって血が常に心房から心室にだけ流れるように調節しています。この弁膜がまともに閉まらないと、心室から心房に血が逆流するようになり、そのために心臓が腫れます」

「ところで、どうして普段は何の症状もないのでしょうか」(金氏)

「それが問題です。心臓の血が逆流する程度が、弱は1で強が10だと見た場合、あなたはもう8、9の状態です。それにもかかわらず、日常生活で何の症状も感じることができない場合が多いのです。それで多くの人々がこの病気を軽んじて、病気を悪化させます」(朴センター長)

金氏は手術を受けなければどうなるのか知りたがった。

朴センター長は、「これを放置した患者のうち、1〜2%は突然死をするか、不整脈ができて血栓によって脳の血管が塞がると、中風にかかることもある」と話した。不整脈は脈搏が正常に働かない症状だ。脈搏が不規則になると、血液の流れが一定でないため、血球が裂けてその残物(血栓)が血管を回り、血液の流れがさらに妨げられる。

朴センター長は金氏に鉄で作った膜がついているキーホルダ模様の物体を見せながら説明を続けた。

「これが人工弁膜です。不整脈が慢性化するか、弁膜が固くなればこの人工弁膜を入れなければなりません。体に鉄が入ると、一生血が固まらないように抗凝固剤を飲まなければなりません」

状態が悪化する前に手術を受ければ、弁膜の一部を切り離して布地で繋ぐ「成形」だけで済む。その場合、手術後の初期3ヶ月間だけ抗凝固剤を飲めば、一生何の措置も取らなくても良いメリットがある。

首を頷かせた金氏は、手術の日程を4月28日に決めた。しかし、会社の出張のため到底手術ができなかった金氏は、手術の日程を今月に延ばした。「まさか3ヶ月程度延ばしただけで急激に悪化することはないだろう」というのが金氏の考えだった。

金氏は入院して手術前の状態をチェックするために運動負荷検査を受けた。朴センター長は「不整脈ができており、3月に検査した時より血が逆流する程度がひどくなったし、右側の心臓までも腫れた」と診断した。

金氏は幸いに不整脈が日常化する前の段階で、垂れた弁膜の一部だけ切り離す成形手術を受けた。



artemes@donga.com