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民族の痛みを悽絶なメロディーに盛り込む

民族の痛みを悽絶なメロディーに盛り込む

Posted June. 27, 2006 03:17,   

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北朝鮮最高のバイオリニスト、故・白高山(ペク・ゴサン)のアルバム、韓国で発売

韓国戦争の渦中だった1951年、ロシア・モスクワのチャイコフスキーキ音楽院で開かれた校内コンサート。黒い髪の毛のある東洋人研究生の聞いたことのない激情的な演奏が終わると、当時、チャイコフスキー音楽院教授だった世界的なバイオリニスト、ダヴィッド・オイストラフ(1908〜1974)は、直接彼を教えると進み出た。彼は北朝鮮から特別研究生として招かれたバイオリニスト百高山(1930〜1997)。彼の演奏した曲は「アリラン、アリラン、アラリヨ〜」で始まる本調アリランを変奏した無伴奏「アリラン変奏曲」だった。

死後にも北朝鮮最高のバイオリニストに数えられる白高山の独奏アルバム(シンナラ)が発売された。特に、オイストラフを感動させた無伴奏「アリラン変奏曲」はこのアルバムの一番目の曲だ。国を失った悲しみが消え去る前に、ふたたび分断と同族戦争で苦しむ民族の悲しみを悽絶なメロディーで表現した同曲は今も、白高山だけがまともに演奏できるという評価を聞く、彼の代表作だ。

白高山はオイストラフの弟子としてたゆまず実力を伸ばし、1957年、ロシア・モスクワで開かれた第1回チャイコフスキー国際音楽コンクールで入賞し、1978年にはチャイコフスキー・コンクールのバイオリン部門審査委員に委嘱され、終身審査委員を勤めた。平壌(ピョンヤン)音楽舞踊大学などに在職し、北朝鮮はもちろん、中国、モンゴルなどから来た留学生たちを育てた。

本格的な作曲家活動をしたのではないが、白高山は西洋楽器であるバイオリンを利用し、民族的メロディーが盛り込んだ曲を創作し演奏することも楽しんだ。「アリラン変奏曲」のほかに、民謡を土台にした「民謡を主題にした小品」がそれだ。今回のアルバムにはこのほか「故郷への道」「歓喜」「熔鉱炉が見える海辺で」など創作曲が収録され、彼の親筆が盛り込んだ楽譜写真もアルバム表紙に載せられた。同アルバムは日本新世界レコード社で「オープンリール」(オーディオテープが外に露出し巻かれたリール)の形態で保有していた北朝鮮の音楽の中で、白高山の演奏音源のみを再整理して作ったものだ。031−266−7191。



raphy@donga.com