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6月に響き渡る「戦争レクイエム」

Posted June. 07, 2006 07:17,   

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ハム・シンイク指揮でブリテンの大叙事詩が24日、韓国初演。

「『レクイエム』ではモーツァルト、ブラームス、フォーレ、ヴェルディなどの作品があるが、私が一番熱い涙を流した曲は、1987年度オーストリア・ウィーンの国連センターで聞いたブリテンの『戦争レクイエム』でした。戦争で死んだ者だけでなく、生き残った人たちの集団的な傷をも治す容赦と和解の音楽でした」

大田(テジョン)私立交響楽団の指揮者ハム・シンイク(48)にとって6月は「レクイエム」の月だ。彼は、15日午後8時にはKBSホール、16日午後8時にはソウル芸術の殿堂コンサートホールでKBS交響楽団を指揮してモーツァルト「レクイエム」を演奏し、24日午後7時に大田文化芸術の殿堂アートホール、25日午後7時にはソウルの芸術の殿堂コンサートホールで大田市立交響楽団を指揮してベンジャミン・ブリテン(1913〜1976)の大叙事詩「戦争レクイエム」を舞台にあげる予定だ。

「レクイエム」は、死者の魂を慰める鎮魂ミサ曲。はじめはカトリック教会で歌われたのが、次第に独唱、合唱、管弦楽編成の作品に発展し、ミサでない演奏会用としても作曲された。

特に、今年56周年を迎える韓国戦争戦死者を追慕するためのブリテンの「戦争レクイエム」は、韓国初演作。100名規模のオーケストラと、室内楽団、成人合唱団(130名)、少年合唱団(40名)、ソリスト3名の計270名あまりが出演する大型スケールの曲だ。

この曲は、戦争中に爆撃で破壊された英国コベントリ大聖堂の復元記念として、1962年に作曲され、初演された曲。ブリテンは、伝統的なレクイエムのラテン語典礼文に、世界第1次大戦に参戦し25歳で戦死したウィルフレッド・オーウェン(1893〜1918)の英詩を絶妙に合わせ、反戦と平和のメッセージをこめた。銃弾の音、銃身がぶつかる音、信号ラッパの音など、戦場の場面を音楽で描写し、戦争の残酷さを告発した。ブリテンは当時、同作品の映像音盤の製作で、「和合」を象徴的にみせるため、ドイツ人バリトンのフィッシャー・ディースカウ、ロシア人ソプラノのガリナ・ビシネフスカヤ、英国人テナーのペータ・ピアスなど、第2次大戦の参戦国出身の声楽家たちで独唱者を構成したという。

大田市響は今回の演奏に先立ち、韓国戦争をはじめ、ベトナム、イラク、ボスニア戦争などの惨状を撮ったフィルムを上映し、独唱者が歌うオーウェンの英詩の翻訳字幕をつけて、観客が理解しやすくする計画だ。042ー610ー2264

一方、10日午後7時半、世宗(セジョン)文化会館大劇場では、ソウル市合唱団の「レクイエム」が公演される。韓国総合芸術学校のマーティン・ベアマン教授が指揮し、ソウル市青少年交響楽団が演奏する予定だ。02ー399ー1114



raphy@donga.com