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2つの心の欲望 『インティメット・ストレンジャーズ』

2つの心の欲望 『インティメット・ストレンジャーズ』

Posted May. 26, 2006 03:02,   

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女性は「親密さ」と「愛」を別のものとして区分しようとする。いっぽう男性は、親密さと愛を常に同じものだと勘違いする。世の中で起きる愛の悲劇の中で、8割は親密さと愛の関係を自分の境遇によって異なって解釈するこのような男女間の相違から生まれるのではないだろうか。

25日に上映されるフランス映画『インティメット・ストレンジャーズ』は、親密さが時には愛よりも激しいという事実を、俳優の言葉と顔の表情だけで、ウィットをきかせ、胸にしみるように伝える。

夫との結婚生活に悩んで、精神科医師のカウンセリングを受けることにしたアンナ(サンドリーヌ・ボネール)。彼女は、オフィスの番号を間違えて、エコノミー・カウンセラーのウィリアム(ファブリス・ルキーニ)の事務所に入る。アンナは、いきなり密かな私生活を打ち明け、アンナのこのような姿が嫌ではなかったウィリアムは、医師の振りをして話を聞く。アンナの「相談」は続き、ある日、アンナの夫がウィリアムの前に現れる。

同映画は、非現実的で極端なストーリー設定で、軽い冗談を無意識に投じるような形式を取るが、実は男女間の愛に対する驚くべき真実が潜んでいる。愛より重要なのは親密さであり、親密さは、ただ誰かに自分の話を打ち明け、また誰かの話を聞くコミュニケーションから始まるという事実である。映画は「話好きの女」と「聞き上手の男」、「親密でない夫」と「親密な他人」、そして「親密さ」と「愛」の絶妙な対比を通じて、一般的なロマンス映画のハッピーエンドから一歩進み出る。

『インティメット・ストレンジャーズ』の魅力は、速射砲のように溢れ出るセリフの中で2人の男女が終始ひと言も「愛」という単語を言わない点だ。映画は、2人の視線の少しの揺れや微妙な表情をそのままとらえつつ、結局は彼らの心の中をのぞき見る全知的視線を拒否し、分かったような分からないような絶妙の距離を置いていく。世の中には握手しかしていない男女の間でもセックス以上の関係が存在し得るという事実を伝えるためだ。もしかしたら、愛していると言う瞬間、愛は終わるのかもしれない。『髪結いの亭主』のパトリス・ルコント監督。ソウル・シネキューブで上映。15才以上。



sjda@donga.com