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愛と権力の暗闘…目立つ神話的想像力 ドラマ「朱蒙」

愛と権力の暗闘…目立つ神話的想像力 ドラマ「朱蒙」

Posted May. 25, 2006 03:58,   

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タムルの弓。夫余(プヨ)の始祖が、国を開くために一度も放さなかったという夫余の神物だ。

「タムルの弓を直接見て、その精気を受けなければならない」

MBCの月火ドラマ『朱蒙(チュモン)』(夜9時55分)で、朱蒙と異母兄弟である帯素(テソ)、ヨンポが受けた任務だ。この神秘的な品物を探す旅は、『朱蒙』の初盤の展開に主要なモチーブとなっている。

『朱蒙』は23日、第4回の視聴率が25.3%(TNSメディア・リサーチ)を記録し、月火はもとより、ドラマ全体の視聴率順位で1位を突っ走っている。

『朱蒙』の人気の秘訣は、俳優たちの優れた演技のためでもあるが、歴史的な記録が少ない古代史という時空間を背景にしているため、かえって神話的な想像力でストーリーを幅広く展開できることが強みとして挙げられる。

▲神話的想像力〓軟弱で問題ばかり引き起こす朱蒙は、異母兄弟の帯素、ヨンポと共に、弓を探して旅に出る。途中で2人の兄に殺されそうになるが、卒本国の商団の召西奴(ソ・ソノ、ハン・ヘジン扮)に救出される。2人の兄は弓を探し出し、弦をかけて引いてみるが、失敗して戻ってくる。朱蒙も何とか弓を見つけ、弦をかけて引っぱるものの、あっけなく弓が折れてしまう。

このシーンについて、視聴者の掲示板には「朱蒙だけが弓に弦をかけるということは、彼が王になるという意味であり、夫余は亡びるということを示している」という解釈が書き込まれていた。

夫余の神女・ヨミウルの存在も、神話的な想像力を刺激する。第1回でヨミウルは、太陽の中に足が3本の鳥(三足烏)が入っている夢を見たと王に告げる。王は驚いて、足2本は王と太子を意味するが、もう1本は何かと問うが、ヨミウルは「見たことも、聞いたこともないので、何とも言えない」と答える。

チェ・ワンギュ作家は、「国内ドラマ製作の環境上、60部作である『朱蒙』で、毎回華やかな見どころを提供することは難しい。しっかりとしたストーリーの力が必要だ。神話的なファンタジーを適切に活用する予定だ」と話した。

▲多様な視聴者を引きつける〓最近6ヵ月間の人気ドラマが主に30〜50代の女性をターゲットにしたラブストーリーが主で食傷していたという点が、『朱蒙』の人気の背景の一つに数えられる。従来のドラマは、ストーリーが力不足で、非正常な関係設定に力を注ぎ、他の層の視聴者を吸引できなかったということだ。

一方、朱蒙には、多様な葛藤構造と恋愛が適切に混ざっている。夫余の王子である金蛙(クムワ、チョン・クァンリョル扮)と解慕漱(ヘモス、ホ・ジュンホ扮)が、柳花(ユファ、オ・ヨンス扮)をめぐり、三角関係になる。また、王権をめぐって争う朱蒙と帯素の葛藤や、漢四郡を撤廃するための独立運動など、多様な葛藤構造が話を膨らませる。現在までの、性別・年令別の視聴率を見ると、女性30〜50代が12〜15.2%、男性30〜50代が10.2〜11.4%を記録し、比較的まんべんなく分布している。今後展開される朱蒙と召西奴の恋愛ストーリーは、史劇の悲哀が好きな若い女性たちまで引き込むことだろう。

MBCドラマ局のチョン・ウンヒョン責任プロデューサーは、「『朱蒙』が、史劇の雰囲気が好きな中高年の男性とファンタジーや派手なアクションに沸く若い男性、メロドラマにはまる30〜50代の女性まで、すべてを満足させることができる構造を備えている。しかし、初盤に見せたドラマの密度を最終回まで続けることができるかがカギになる」と話した。



suhchoi@donga.com