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興行ミッション?ポッシブル!

Posted May. 04, 2006 08:29,   

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妙にも、3編では「人の臭い」がする。主人公のイーサン(トム・クルーズ)は任務を完璧に遂行するという「クール(cool)」な専門家主義からでなく、愛する女性を死なせてはいけないという絶対絶命の「ホット(hot)」な心から動く。イーサンが流す汗と涙のしょっぱい味は、アクションとドラマがお互いくっついては目まぐるしいスピードで疾走させる推進力となる。

今年で44歳のトム・クルーズが以前としてアクション俳優としてぞっとするほど恰好良くみえるのも、映画の中のイーサンの姿がひょっとしたら女優のケティ・ホームズを愛する「自然人」トム・クルーズの姿かも知れないという錯覚をさせるのも、主人公イーサンの婚約者であるジュリア(ミシェル・モナハン)が装飾品みたいな「ボンドガール」の地位を超え、一つの特別な人格体で感じられるのも、全ての映画的瞬間を主人公イーサンの内面と話し合うようにした同映画の戦利品だ。

第一線から退き、特殊要員たちをトレーニングさせているイーサン。彼は愛するジュリアとの結婚をひかえている。婚約式の日、イーサンは本部の急な呼出しを受け出動し、国際的な情報闇取引業者のオーウェン(フィリップ・シーモア・ホフマン)を拉致するのに成功するが、護送課程でオーウェンは本部内の誰かによって脱出する。オーウェンはジュリアを人質に、48時間内に極秘情報を渡してくれなければ彼女を殺すと脅かす。結局、イーサンの目の前でオーウェンは引き金を引く。

実は、映画の細部場面はどこかで多く見たような旣視感を呼び起こす。海上の孤立無援の橋で、戦闘機の爆撃を受ける主人公一行の様子は、「ツルー・ライズ」を連想させ、超高層ビルの傾いたガラスの屋根を危うく滑り落ちてくるイーサンの姿は、成龍の似たような(しかしもっと慌ただしい)アクションを思い浮かばせる。

しかし、材料より重要なのは料理法だ。ブロック遊びがいくらでも創造的であり得るように、この映画はまあまあのかけらを集めては、独創的な方式で組合わせる。遥かに増えたクローズアップと、イーサンに密着し機敏に動くカメラは、観客に、前編に比べより真摯で深刻にアクションシーンを体験する効果を出す。

同映画が美しいもう一つの理由は、2億ドル(約2000億ウォン)の制作費をつかったにもかかわらず、そんな大金をつかったようなふりをしてないという点だ。これは、必要な話を必要な分だけするという、この映画の、度を越さないようにしようという態度の延長線にあるのだ。イタリア・ローマ、米ニューヨーク、フランス・パリ、中国上海を縦横無尽するが、映画は自ら手に負えるくらいだけ見地の雰囲気を持ってきた。それに申し分のない編集を通じて、呼吸の緊迫感をわすれなかった。

死んでいく人も生かせるという恋。今回は、「ミッション・インポッシブル3」を生かした。「ロースト」「エイリアス」などのテレビシリーズを演出したJ.J.エイブラムズ監督のデビュー作。Rー15。



sjda@donga.com