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誰…ですか?

Posted April. 19, 2006 02:59,   

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90年代『背の低い空』、『私へ』などをヒットさせたバラード歌手のチャン・ヘジン。デビュー15年目の彼女に最近つけられた別名は、「新人歌手チャン・ヘジン」だ。5年ぶりに発表した新曲『会うのはよそう』と男性デュオ「バイブ」と歌った『あの男とあの女』が、歌謡チャートの1位と2位を占めたが、彼女の「過去」を知らない10代の歌謡ファンは、「チャン・ヘジンって誰?」と首を傾げるからだ。『アパート』、『恍惚とさせる告白』などで人気を博した歌手尹秀一(ユン・スイル)も先月、7年の空白を破って21枚目のアルバム『リモデリング』を発表した。新世代の若者たちは、カラオケで『アパート』を歌うが、歌手尹秀一を知らないのが現実だ。このことについて彼は、「この機に、歌手尹秀一を若者たちに明確に伝える」と話す。

●思い出という名の「7080vs90」

チャン・ヘジンと尹秀一の共通点は、「カムバック歌手」という点だ。新曲『ゲット・ヤ』を出した李孝利(イ・ヒョリ)が盗作問題で下降した後、06年上半期の歌謡界は、「オールド・ボーイ」たちの世界だ。カムバック歌手たちは、70、80年代に全盛期を謳歌した「7080」歌手対90年代に人気を博した「90」歌手たちの対決構図を描き出している。

尹秀一をはじめ、14年ぶりにカントリー風のアルバム『2006徐守男、すばらしい世界』を発表した歌手徐守男(ソ・スナム)、6年4ヵ月ぶりにアルバム『人中天地一』を出したウ・スンシル、12年ぶりに15枚目を発表した張銀淑(チャン・ウンスク)、今年下半期にデビュー35周年のアルバムを発表する楊姫銀(ヤン・ヒウン)まで、「7080」歌手たちのアルバム発表が相次いでいる。

これに対抗して、10年ぶりに4枚目のアルバムを発表した『帰路』の朴ソンジュ、5月20日に10年ぶりにカムバック・コンサートを行なう「015B」、解散5年後に再結成を宣言したヒップホップ・グループの「アップタウン」、ダンス歌手のヒョン・ジンヨン、『ある歌謡』を歌ったバラード歌手の李ジョンボンら「90」歌手たちも、「カムバック」の隊列に合流した。

彼らは、アルバムよりも観客に直接会えるコンサートで、高い反響を得ている。インターネットのチケットの前売りサイトであるインター・パークによると、「015B」のカムバック・コンサートは、前売り1ヵ月で4600席のうち3500席以上が売れ、76%の高い前売り率を見せている。先月終わった男性デュオ「パニック」の公演も、80%を上回る前売り率を記録した。

●「思い出を売る」カムバックvs「多様性」の追求

カムバック歌手たちの人気は、単に「思いでを売る」だけではない。最近の流行コードを吸収して、若者を引き入れようと努力しているためだ。チャン・ヘジンは、「単に昔の感性に寄りかかってカムバックしようとするのは、安易な考えだ。過去にファンだった中年層と現在の若い世代が共有できるものを探す努力が必要だ」と話す。

「7080」や「90」歌手たちのカムバックは、10代を中心に偏っていた韓国歌謡界の奇形的な地形図を変えるという点に意義がある。潜在していた中年層の観客がコンサート会場に押し寄せ、アルバムを購入し、沈んだ国内の音楽産業に息を吹き込む穴を開ける効果もある。「パニック」の李ジョクは、「90年代の歌手やその上の世代は、今日のアーティストが持っていない文化コードを持っている」と述べ、彼らのカムバックが歌謡界の多様性を拡大すると期待した。

しかし、ベテランたちの華やかなカムバックの一面を心配そうに眺める視線もある。このようなムードでは、トレンドを率いる革命家的な新人が出てこないというのが理由だ。

音楽評論家のイム・ジンモ氏は、「アルバム業界の長期不況で、ただでさえ歌謡界が新人の発掘をためらうムードであるうえ、ますます音楽が、音楽そのものよりも、映画やインターネットのバック・ミュージックに使われるなど、「付属物」の地位に落ちている状況なので、90年代のソ・テジのように、文化コードを変える潜在力のある歌手が出ても、過去ほど注目されない」と話した。

作曲家のチョン・ヘソン氏は、「21世紀の歌謡界は、一人がトレンドを率いるよりも、多様なジャンルで優れたミュージシャンが登場する『群雄割拠』型になるだろう。新人歌手であれ、カムバック歌手であれ、従来の興行コードを踏襲しようとしては、興行もミュージシャンとしても認められない」と話した。



bsism@donga.com