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北朝鮮の都市の危機と変化

Posted April. 01, 2006 03:00,   

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1990年代「苦難の行進」期に北朝鮮ではどんな変化が生じただろうか。この本は北朝鮮と中国の国境都市である清津(チョンジン)、新義州(シンウィジュ)、恵山(ヘサン)の3都市出身の北朝鮮脱出者たちに対する深層面接調査をもとに、その変化の具体的様相を追った慶南(キョンナム)大学・極東問題研究所の共同研究の産物だ。

著者たちは、これを「市場的空間」の拡散と「政治の経済化」に要約して問題を見ている。

既存の北朝鮮社会主義の都市政治は、「権力体制—工場体制—地域体制」の強固な結びつきで成り立っていた。しかし、その隙間に市場とヤミ市を含む市場的要素が定着しながら既存の3体制は緩み・分離しているというのだ。

市場は、1980年代までは住民の生計維持活動を補助する役目に止まっていた。しかし、食糧難によって地域体制が保障した配給が形骸化し、市場が生計維持活動の重要な場として登場しながら都市生活の主な舞台に変わってきた。工場と企業も、政府から配給を受けた資材を市場とヤミ市を通じて供給を受けるようになった。

行政経済事業に対する党の指導力は大きく弱体化した。これはお金を儲けて経済力を持った人士たちの入党が、容易になったという変化でも分かる。

地方にある工場が事実上の稼動中断に入り、従業員たちはばらばらに散らばって独自で生存を模索しなければならなくなった。お互いに違う地方どうしで必要な物資を交換する地方貿易が登場し、私的関係のネットワークの拡大を生み出した。

その結局、このような変化を通じ、北朝鮮の都市は集団主義的な形式主義と個人主義的な実用主義に二分化された社会への移行を経験しており、下からの変化の可能性を見せているという分析だ。



confetti@donga.com