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ミュージカル『地下鉄1号線』公演3000回を目前に

ミュージカル『地下鉄1号線』公演3000回を目前に

Posted March. 08, 2006 03:07,   

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ミュージカル『地下鉄1号線』が29日、公演通算3000回という大記録を打ち立てる。単一劇団の単一公演が3000回を突破するのは、劇団ハクジョンの『地下鉄1号線』が初めてだ。公演が始まったのは1994年。

6日夜、ソウル大学路のハクジョン事務室で会った金ミンギ代表はお祝いの挨拶に、「恥ずかしいかぎりです」と、照れくさそうにニッコリと笑った。

「1000回の時(00年2月)、原作者のドイツのフォルカー・ルードヴィッヒが来韓して、『2000回やってほしい』と言ったので、『その言葉は呪いだ』と答えたんです。ところが、2000回の時(03年11月)にも来て、また『3000回までやってほしい』と言ったんです。その時も頭を横に振ったんですが、いつの間にか3000回になってしまいましたね」

こんなふうに4000、5000回もやることになるんじゃないかな。彼は淡々と、「観客が入る限り、公演は続けるが、この作品はもう享受したことだけでも過分だ。これ以上欲を出してはいけない」と話した。

しかし、もう60万人に近い乗客(観客)が見た『地下鉄1号線』は、今でもごった返す。最近、観客の入りが良くないという大学路で、有料観客の割合80〜85%を維持している。

良く知られているように、この作品はドイツの同名ミュージカルが原作の翻案ミュージカルだ。しかし、東ドイツの少女がロッカーと愛に落ち、ベルリンに来るという原作と、延辺の娘が一晩の愛でできた子供の父親を探して、ソウルに来るという骨組みだけが同じなだけで、完全に違う韓国的なストーリーに仕上げた。

『地下鉄1号線』には屋台の取り締まり組、売春女性、自由労働者、米軍が父親の混血児、江南(カンナム)の成金夫人、外国人労働者、地下鉄の押し売り、失職者など、多様な人間群像が登場する。11人の俳優がかもし出す80人余りのキャラクターを通じて、1990年代ソウルの自画像が垣間見える。

最近1200回の公演を終えたドイツの原作より、韓国の『地下鉄1号線』がもっと「よく走る」。原作者は1000回突破後、「海外で一番長く公演中のドイツ作品」のため、「ロイヤルティ免除」という大きなプレゼントを与えた。

金ミンギ代表は、『地下鉄1号線』をやりながら一番嬉しかった時として、平均客席占有率104%を記録した1996年を上げた。

「初めて俳優たちが私より多い給料をもらっていったんです。当時、私の月給が200万ウォンだったんですが、ソル・ギョングが250万ウォンをもらったんです。10年前の大学路ではものすごく巨額だったんです。私が夢見ていたことが実現されたようで、本当に嬉しかったです」

3000回の「長期運行」の秘訣は?

「ここに出てくる人々はみんな暗くて大変な人生を生きていますね。『民衆対搾取グループの対立』という物差しから見ると、よくそういう人は『敵(搾取階級)』に対して憤りを持っていると思われます。しかし、決してそうじゃありません。草の根は元気で楽天的です。どうしてなら、そうでないと絶対生きていけませんから。憎悪よりは希望の力の方が強いんです」

そうした点で彼は失郷民出身の「あばたのお婆さん」が1幕の後半部で、『人生っていいもんだね』を歌う場面が事実上、この作品の頂点だと見ている。希望に満ちているこの曲は、『アチムイスル(朝の露)』の歌手として、一時、抵抗の象徴だった彼が世間に向けて歌う歌かも知れない。

「…言われることが分かるまで/動けるし/もたれて立つことさえできれば/最後の息をするその瞬間まで/それでも生きているということは/本当は良いことだね/そうだろう、みんな…」



sjkang@donga.com