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今度は「ナルニア」に夢中

Posted December. 01, 2005 03:22,   

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もうひとつの大作ファンタジー映画がやってくる。ディズニーが1億5000万ドルの制作費をつぎ込んだ野心作「ナルニア国物語:第1章ライオンと魔女」。1950年に刊行されたC.S.ルイスの同名シリーズ小説が原作だ。アニメーション「シュレック」1・2編をつくったアンドリュー・アダムソン監督のの実写映画デビュー作。29日封切り。全世代鑑賞可。

▲原作小説VS映画〓「ナルニア国物語」は、国内ではなじみの薄い作品だが、英米圏では8500万部以上売れた子供向けのファンタジー小説の古典。全7巻からなる「ナルニア国物語」シリーズのうち映画化された初作品の「ライオンと魔女」の興行成績によって、後続シリーズがつくられる予定だ。

背景は第2次世界大戦の真っ最中の1940年代初めの英国。ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシーの4兄妹は、ロンドンから田舎へ身を避ける。その家の神秘の衣装だんすを通じて、この4人は魔女が支配する「ナルニア」の世界に入り込み、義理深いライオンの「アスラン」と一緒に「ナルニア」を救い出す。4人の新人の子供役とともにティルダ・スウィントンが魔女役を、リアム・ニーソンがアスランの声を演じた。スーザンとルーシー姉妹の役割をやや増やしたことを除けば、映画は最大限に忠実につくられた。

▲子供バージョンの「ロード・オブ・ザ・リング」+「ファッション・オブ…」〓「ナルニア国物語」は、子供向けファンタジー小説を映画化したという点で「ハリー・ポッター」とよく比較されるが、むしろ「ロード・オブ・ザ・リング」という衣をつけて揚げた「ファッション・オブ・ザ・クライスト」に近い。ここに「家族愛」で味付けをし、ディズニー式にうまくあえた。大人にはちょっと水っぽいかもしれない恐怖と緊張だが、子供の口には結構カラッとした味もする。

「ロード・オブ・ザ・リング」の特殊効果チームが全員参加し、ロケ地(ニュージーランド)も同じなので、どうしても「ロード・オブ・ザ・リング」の雰囲気がにじみ出る。

子供たちの目線では「4兄妹の神秘の冒険」と解釈されるが、大人の目からすると、キリスト教的なアレゴリーで一杯だ。原作者ルイスの、キリスト教的な世界観に忠実に映画をつくったため。たとえば、アスランがエドマンドの罪を代わりに負ったまま、悪の巣窟に入っていく姿は、まさにゴルゴタの丘を登るキリストを直接的に象徴する。

このほど開かれたロンドンでの試写会の場で会ったアダムソン監督は、「選ばれた者(The Chosen)が世の中を救うというストーリーが宗教的な感じを与えるかもしれないが、そういう見方をすれば、『マトリックス』も同じだ」とし、「他のファンタジー映画とは違って、家族をストーリーの中心に置いたが、家族の物語はどの文化圏でも通じると思う」と話した。

▲見どころ満載のCG効果〓「ナルニア国物語」の99%はデジタル作業で行われた。毛の先まで生きているような動きをする「CGライオン」のアスランは、テクニックの威力を実感させてくれる。顔は人だが、足はヤギのトゥムヌスや半人半馬のケンタウルスなど、デジタルと特殊メイクの力を借りて誕生した23の新しい種族を見るのも楽しい。

CGだらけの映画を「人工調味料をたっぷりかけた食べ物」のように感じる美食家でも、ガス灯の下でルーシーとトゥムヌスが初めて会う導入シーンだけは、長らく心に残るほど叙情的だ。



sjkang@donga.com