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21年待ったベルリン・フィル

Posted October. 26, 2005 07:33,   

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世界のオーケストラの「皇帝」と呼ばれるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(BPO)。1984年、東亜(トンア)日報の招請で、指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンとともに来韓したベルリン・フィルが、21年ぶりに再び韓国を訪れる。今回は、英国出身の新鋭の巨匠サイモン・ラトルが、136人の最精鋭団員(スタッフ含め160人)を指揮する。

11月7・8日、ソウル「芸術の殿堂」コンサートホール。

●若返ったサウンド、世界最高のアンサンブル

「21年前に比べると、ベルリン・フィルは確実に若くなった。また、オーケストラの運営も、1970〜80年代に比べると、かなり民主化された。何よりも、サウンド面で大きく変化した。響き(sonority)が透明になった。」(ヘルムート・メバート第1バイオリン奏者)

ベルリン・フィル理事会の顧問役「5人委員会」の1人であるヘルムート氏は、本紙との電子メールでのインタビューで、21年前のベルリン・フィルの音色を記憶する韓国のファンのために、このように説明した。

123年の歴史を誇るベルリン・フィルは、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(1922〜1954年)に続き、ヘルベルト・フォン・カラヤン(1955〜1989年)が、多くのアルバムやコンサートを通じて、重厚で華やかな色彩、爆発的なサウンドのオーケストラに完成させた。カラヤンの死後、ドイツ統一を経て、指揮者クラウディオ・アバド(1989〜2002年)の時代に、半分以上の団員が入れ替わった。

特に、1990年代のオーディションで入団したフルートのエマニュエル・パユ、オーボエのアルブレヒト・マイヤー、クラリネットのウェンツェル・フックスなどの天才的な20代の木管奏者たちは、整った洗練した音色で、サウンドの世代交代をリードした。完璧な合奏力を誇るBPO団員の現在の平均年齢は、38歳。

●多様化したレパートリー、サイモン・ラトル

2002年9月、団員の投票で21世紀の新しい常任指揮者に選ばれた人物は、英国出身のサイモン・ラトル。彼は、1980年に25歳の若さで、英国バーミンガム市立交響楽団の常任指揮者を務め、同オーケストラを一躍、世界的に有名にし、60を超えるアルバムを制作して、世界的なレコード賞を総なめした。彼は、ベルリン・フィルを引き受け、新しいレパートリーの発掘や、アルバム制作、教育プロジェクトなどを通じて、ベルリン・フィルの中興に尽力している。

ベルリン・フィルは、ソウルや北京など韓中日、台湾の4ヵ国、6つの都市を巡回する今回のアジア・ツアーで、「英雄」をテーマに多様なレパートリーを披露する。ベートーベンの「交響曲第3番エロイカ」、リヒャルト・シュトラウスの「英雄の生涯」、ラヴェルのバレエ組曲「マ・メール・ロワ」、ハイドンの「交響曲第86番」など、古典と現代が調和した選曲だ。特に、ラトルは、今年初めの本紙とのインタビューで、英国の現代音楽家アデ氏の曲である「アスィーラ」について、「韓国で初めての公演だから、興味をもってくだされば」と耳打ちした。音楽コラムニストのユ・ジョンウ氏は、「サイモンは、大規模な編成曲では、カラヤンに劣らない華やかな色彩感と壮大なスケール、ダイナミックな強弱を引き出す力を持っている」と話した。

●世界最高のソリストとして活躍する団員たち

ベルリン・フィルは、1882年の創立時から、新入首席団員、一般団員に対して、1、2年間のインターン期間後、団員たちの信任投票を経て、正団員に選抜する伝統を守っている。指揮者の選出、レコード会社の選定など、すべての意思決定を団員の投票で決め、外部の干渉は徹底的に排除する。これが、団員が変わっても、ベルリン・フィルの絶対音感が変わらない秘けつだ。

ベルリン・フィルは、団員一人ひとりが世界のどこに出ても最高級で通る独奏者たちで構成されている。オーボエ奏者のアルブレヒト・マイヤー、フルート奏者のエマニュエル・パユなどは、1年の約半分は世界各国で独奏会を開く。BPO傘下には、ベルリン・フィルの元・現団員で構成された「ベルリン・チェンバー・ミュージック・グループ」約30団体が活動している。www.bpo2005.com、02-6303-1919



田承勳 raphy@donga.com