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エプロンをつけた韓石圭、笑いを料理する

エプロンをつけた韓石圭、笑いを料理する

Posted September. 22, 2005 07:44,   

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韓石圭(ハン・ソクキュ)、申恩慶(シン・ウンギョン)主演の「ミスター主夫クイズ王」(ユ・ソンドン監督)は、映画広告の文句どおり「男性専業主夫の愉快なカミングアウト」をテーマにしたコメディ映画だ。

「カミングアウト」という言葉から見当がつくように、映画には、男が家で家事をすることを恥じること、また、隠したい秘密だという前提がある。このような前提を裏切って、放送局のクイズショーに出演し、満天下に自分の正体をさらけ出す主人公オ・ジンマン。こんな主人を恥ずかしく思って家を出た妻のため、ジンマンはしばらく試練を迎えるが、最後には、夫婦が家庭の幸せを取り戻すという内容だ。

コメディに戻ってきた韓石圭は、エリート会社員から「主夫業6年目」のオ・ジンマン役で、自然で気楽な主夫の姿を演じる。マスカラに付けまつげをつけて、ストッキングにハイヒールをはいた彼のビックリ変身は、笑いを誘う。放送局の司会者として働く妻役は、申恩慶が演じる。

ちょっとでも多く利子を得ようと頼母子講をはじめたが、親が逃げたために、妻に知られずに3000万ウォンを調達しなければならなくなったジンマン。主婦クイズショーの賞金を狙った彼は、女装してクイズショーの予選に出るが、男であることがばれてしまう。しかし、放送局側はむしろ話題になると考えて、彼を出演させる。時事常識はもちろん、家事に詳しいジンマンは、3週勝ち抜きに挑戦して、一気に有名人になる。

「男性専業主夫」という素材自体が新しく興味深いだけに、映画はこの点を思いきり活用する。伝統的な主人と妻の役割やせりふを変え、笑いのコードとして活用する。ディスカウント店の試食コーナーをそのまま通り過ぎることができず、安売りのイカを買うために身を投げ出し、スタイル管理のために、近所のおばさんたちと競歩をするジンマンの日常は、静かな笑いを誘う。男性である彼を仲間はずれにせずチームに入れる主婦たちや、頑固な父親が「やるならしっかりやれ」と息子を励ます姿も新鮮だ。

しかし、名門大学を出たというジンマンが、なぜ再就職をあきらめて専業主夫になるのか、その過程でどんな葛藤や悩みを経験したのかについては何の説明もなく、観客はジンマンの選択に簡単に共感を持てない。家事や育児など、同じ労働を繰り返す専業主婦たちはうつ病になるほどつらいが、食事の仕度をして子育てをするジンマンの一日は、なぜ楽しい遊びのように見えるのかも不思議だ。

ジンマンを通じて、家庭を守る主婦の大切さを強調するこの映画で、時間があまって花札をしたり、昨日見たドラマについておしゃべりをしたりするなど、主婦に対する過った通念を表現する点は、感心しない。何より、ジンマンが幸せになる結末が、専業主夫から脱して、有名人として外での活動まで並行する「スーパーウーマン」、いな「スーパーマン」で終わるのは、少数の男性専業主夫と多くの女性専業主婦の心を乱すのではないだろうか。

「阿羅漢—掌風大作戦」の共同脚本のユ・ソンドン監督の演出デビュー作。29日上映、12才以上観覧可。



mskoh119@donga.com