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ロック、化粧をする

Posted September. 07, 2005 06:34,   

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ブリトニー・スピアーズとクリスティーナ・アギレラが、女性ポップ・シンガーのすべてだと思っていたサラリーマンの金ヨンフンさん(27)。この前、ケーブルテレビで音楽チャンネルを見ていた彼は驚いた。

「金髪の美人がロック・ミュージックをするなんて…。いったい誰なんだろう?」

金さんを魅了した「彼女」は、10代の女性シンガーのヒラリー・ダフだった。ストレートの長い髪にすらりとした体。セクシー・ダンスが似合いそうなルックスだが、彼女は「骨盤ダンス」ではなく、ギター演奏に合わせて大声を張り上げる。

最近のポップ・ミュージックの世界で最も注目される3人の美人歌手がいる。ケリー・クラークソン(23)、ヒラリー・ダフ(18)、そしてアシュリー・シンプソン(20)。かわいいルックスから「きっとダンス・ミュージックだろう」と思いがちだが、彼女たちはこうした期待を裏切る。彼女たちが歌うのはロックなのだ。

●白人美人が歌う「かわいい」ロック・ミュージック

ケリー・クラークソンは2002年、米フォックステレビ主催のアイドル・スターコンテストである『アメリカン・アイドル』で優勝し登場した。クラークソンは、同年10月にバラード風のデビュー曲「ア・モーメント・ライク・ディス」が発売第一週でビルボードのシングルチャートでトップを獲得する。次のシングルである「ミス・インデペンデント」からはロック・サウンドを取り入れ、今年リリースしたロックンロール風の新曲「シンス・ユー・ビーン・ゴン」は、MP3ダウンロードで60万件を記録した。現在はモダン・ロックである「ビハインド・ディーズ・ヘーズル・アイズ」で相変わらずの人気ぶりだ。

「第2のブリトニー」といわれる18歳の少女、ヒラリー・ダフも、モダン・ロックサウンドを盛り込んだデビューアルバム「メタモルフォシス」(2003)で、ビルボードのアルバムチャートで1位を獲得し、華やかなデビューを果たした。今年8月にリリースしたベストアルバムの「モスト・ワンティッド」は、現在アルバムチャートで2週連続でトップを守っている。

昨年のデビューアルバム「オート・バイオグラフィー」が、ビルボード・アルバムチャート1位に輝いたアシュリー・シンプソンは、観照的なロックサウンドの「フィシス・オブ・ミー」でビルボードのシングルチャートで好成績を出した。

2002年の「エイブリル・ラビン、ミシェル・ブランチ、バネッサー・カルトン」という女性ロッカー・トロイカに継ぐ彼女たちは、よりわかりやすい歌詞とポピュラーなメロディーで10代から強く支持されている。

●ロックの大衆化?ロックの商業化?

ポップ・ミュージックの専門家は、3人の美人ロッカーの人気の秘訣として△わかりやすいロックサウンド△10代もすぐに歌えるようなポピュラーな音楽△ダンス歌手に負けないかわいいルックス△メディアでの頻繁な登場などを挙げている。

彼女たちは、これまで続いていた「ブリトニー対クリスティーナ」というライバル構図が、ブリトニーの結婚やクリスティーナのニューアルバム準備などで、小康状態になっているその隙をくぐって登場した。千篇一律のセクシー対決に一撃を加えるかのように「美貌の女性歌手=ダンス歌手」という図式から脱皮し、ロック・ミュージックで新たなトレンドをつくりあげている。

しかし、彼女たちの音楽性について疑問を示す人も多い。ポップ・コラムニストのイム・ジンモ氏は、「ロック・ミュージックは自分たちの音楽性が劣らないことをアピールするための装いに過ぎない」と話す。かわいいルックス、すらりとした体つきの女性歌手ならさわやかなダンス曲を歌うのが当たり前という劣等意識から抜け出るための努力というわけだ。これを立証でもするかのように彼女たちの音楽は、ビルボードのアルバムやシングルチャートでは1、2位を争っているが、ロック・チャートでは苦戦している。

歌手のユン・ドヒョン氏は「ロック・ミュージックのアイデンティティーは、『ロック精神(スピリット)』を持っているかどうかで決まる。作詞、作曲、演奏スタイルだけでロック・ミュージシャンになれるわけでななく、その人の生き方から湧き出るような歌を歌ってこそ真のロッカーだ」と話し、彼女たちの限界を指摘した。



bsism@donga.com