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笑いと人間愛のあたたかい出会い

Posted July. 28, 2005 11:38,   

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映画『ウェルカム・トゥ・トンマクコル』には2つのマジックがある。まず1つは、「時間」のマジックであり、もう1つは「言葉」のマジックだ。この2つのマジックは、さりげなく一点で出会う。その接点とは、腹を抱えて大笑いしているうちに胸の一隅に穴が空いたようにぼうっとなる、そういう瞬間だ。

韓国戦争中、江原道(カンウォンド)の山村のトンマクコルに、韓国軍、北朝鮮人民軍、米軍がやってくる。脱走した少尉のピョ・ヒョンチォル(シン・ハギュン)と、仲間から落伍した臆病な衛生兵のムン・サンサン(ソ・チェギョン)は韓国軍で、人間味あふれる上尉の李スファ(チョン・ジェヨン)と、老兵士のチャン・ヨンヒ(イム・ハリョン)、少年兵のソ・テクキは人民軍だ。ここに米軍のパイロット、スミス大尉(スティーブ・テシューラー)が村に不時着する。最初は銃口を向け合っていた彼らだが、次第に世間ずれしていない純粋なトンマクコルの村民たちになじんでいく。彼らは連合軍の爆撃からトンマクコルを守るために、力を合わせて命がけの作戦に出る。

同映画は「時間」をうまくもてあそんでいる。時間をゴムのように伸ばしたり戻したりしながら、ゆるやかに流れていた映画は、突然、時間を止めて瞬間の中に閉じこめてしまう。これによって強力な感性的爆発力が生まれる。

映画の中で時間が止まる3つの瞬間、△トウモロコシの倉庫で手りゅう弾が爆発し、空から「ポップコーンの雨」が降り注ぐ瞬間、△いのししに追われてこっけいな姿で逃げ回っていた兵士たちが、力を合わせて反撃に出る瞬間、△村を守るために必死になっている兵士たちのすぐそばで、爆弾が花びらのように落ちてくる瞬間。これらの場面はどれも忘れられない強烈なイメージを刻む瞬間であると同時に、互いに憎み合っていた南北(そして連合軍)の兵士たちが、熱い心を開く決定的なモメントであり、さらに戦争の暴力性が友情の美しさに置き換えられるマジックのような瞬間でもある(この3つの場面はどれも「今年の名場面」に選ばれてもおかしくない)。

同映画はまた「言葉」の妙味を十分生かしている。幸福感の中に悲しみが感じられる同映画に出てくる江原道の方言は、トンマクコルというユートピアの「公用語」であると同時に、映画に弾みをつける原動力であり、それ自体がメッセージでもある。「偉大なる指導力の秘訣は何か」と、人民軍上尉の李スファに質問され、トンマクコルの老村長が答えた短い返事は、真実ゆえにいっそう可笑しい。「何でもいいからたくさんあげないとなぁ」。

カン・ヘジョンは『オールドボーイ』以降、ちょっと落ち着きがない印象だったが、今回は彼女にぴったりの役柄にめぐり会ったようだ。チョン・ジェヨンは短い台詞や表情のあいまに、自ら空間を作り上げながら緊張を生み出す。彼は偉い。

CM監督出身の朴グァンヒョン監督は、同映画が長編のデビュー作だというのが信じられないほど、ゆったりとしていながら抜け目のない演出の手腕を見せる。彼は「国・英・数」(ドラマ)と「芸能・体育」(スペクタクル)ともに強い数少ない国内監督の流れを引き継ぐ期待株と目される。

彼が描く村は、涙が出るほど美しいが、彼が見せてくれる戦争は目を塞ぎたくなるほど惨い。80億ウォンもの大金(制作費)の使い方はうまかった。8月4日公開。12歳以上観覧可。



sjda@donga.com