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熱帯夜も息を殺す、ドラマ「サムスン」の夜

熱帯夜も息を殺す、ドラマ「サムスン」の夜

Posted July. 22, 2005 06:11,   

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「あ〜、(ドラマ)サムスンも終わり、これから何を楽しみにすればいいのか」

21日夜11時10分。多くの視聴者のため息が夜に響いた。MBCの水木ドラマ『私の名前は金サムスン』が、幕を閉じた。6月1日の初放映以来吹き始めた「サムスン・シンドローム」は、21日の最終回で最後のクライマックスを謳歌した。「サムスン」ファンは、ドラマの結末が気がかりだ。ドラマの掲示板にも、結末が気になるネチズンたちの書き込みが、21日の昼だけで1万件を上回るほどだった。しかし、製作陣は、結末内容の流出を阻止するために、チームの電子メールのパスワードも変更し、終始非公開で撮影した。

いざ21日の最終回の結末は、比較的平凡だった。ヒジン(チョン・リョウォン)を米国に連れて行き、1週間後に戻ってくるというジンホン(ヒョン・ビン)は3ヵ月の間、連絡もなく姿を現わさない。傷ついたサムスンは、他の男とデートを始めるが、突然ジンホンが現われる。仲直りした2人は結婚しようとするが、ジンホンの母親であるナ社長(ナ・ムンヒ)が反対。結婚するために2人は、子供をつくろうとする。結局は失敗に終わるが、2人の幸せな恋愛は続く。

このようなシーンを見て、視聴者たちは「サムスンとジンホンが結局は結婚に成功するだろう」と、話題に花を咲かせた。

『私の名前は金サムスン』は、放映中の8週間、多くの話題を生んだ。

20日の第15回放送分の視聴率は47.5%(TNSメディアコリア)。特に、首都圏では今年最高の50.2%を記録した。2000年以来、首都圏で視聴率が50%を上回ったドラマは、2000年のMBC『ホ・ジュン』(最高62.2%)、2001年のKBS『太祖王建(テジョ・ワンゴン)』(55.5%)、2004年のSBS『パリの恋人』(57.6%)、2004年MBCの『大長今(テジャングム=チャングムの誓い)』(55.5%)の五つに過ぎない。

「サムスン・サムシク語録」などの流行語が、インターネットの掲示板を占領し、劇中の金サムスンの職業である「パティシエ(製菓製パン専門家)」学院の受講問い合わせが約2倍に増え、販売も増加した。書店では、原作小説と劇中に出てくるドイツの小説『モモ』がベストセラーになった。

シンドロームの核心は、大韓民国の女性たちのサムスンへの共感。20、30代の女性たちは、太っていて、自慢できるところのないサムスンを応援し、自分と同一視した。容姿至上主義の韓国社会で、自信に溢れて堂々としたサムスンの姿を通して代理満足を感じた女性が多かった。金グァンミ氏は、視聴者掲示板に、「2ヵ月間、本当に幸せだった。1時間の間だけ、私がサムスンになったように錯覚して、ドラマを見た」と書き込んだ。

文化評論家の金ジョンヒィ(40)氏は、「サムスン・シンドロームは、容姿至上主義が幅を利かせる社会で、これまでドラマなどの大衆文化が、普通の女性たちの挫折した欲求や、それでもたくましく生きていく日常の姿を十分に描かなかったことを、逆説的に示している」と話した。



zozo@donga.com