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台風のような青春たち… 太陽に向かって走る

台風のような青春たち… 太陽に向かって走る

Posted May. 27, 2005 03:35,   

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本当に「クール」だ。

映画『台風の太陽』は、ただスクリーンを眺めるだけでもぴりっとしていて、胸いっぱいの体験を与える。このようなパワーは、素敵なふりをするか、でなければ逆に奥深いようなふりをしているからではない。この映画は、映画の中の台詞のように「今スケートをしているまさにこの瞬間」を強烈なイメージで作っていて、見る人の胸に一つの点で残す。

「私たちは、過ぎ去った日々を反省しなかったし、明日のことも心配しなかった」(主人公『ソヨ』のナレーション)

『台風の太陽』は、物心のついてないようが、同時に致命的な質問一つを投げかける。「お前は、人生は楽しいのか」青春成長映画であるこの映画が、若い日の我がままを超えて、突然人生を語っているように感じられるのは、この映画を見る人の誰であれ、今自分の人生が楽しくないからだ。

最高のインラインスケーターのモギ(キム・ガンウ)は、社会とまじることができない自分勝手な人間だ。ガールフレンドのハンジュ(ジョ・イジン)は、彼がそれでいても好きだ。内気だが、インラインスケートに強い熱情を持ったソヨ(チョン・ジョンミョン)はモギに付いて回りながら徹夜で練習する。モギの親しい友達で、チームのリーダーであるガプバ(イ・チョンヒ)は、モギに現実とうまく調和するよう勧めるが容易ではない。

「お姉さん、お兄さん(モギ)のどんなところが気に入るんですか」(ソヨ)

「お酒を飲むこと、タバコを吸うこと」(ハンジュ)

「それ以外に、本当の理由は」(ソヨ)

「野心がないということなの」(ハンジュ)

この映画の中の事件は一見すると単調だ。外部から入ってくる激しい葛藤もなく、狂った愛も、セックスも、暴力も、仲直りもない。エンディングは開かれており、依然として進行形だ。それにもかかわらず、『台風の太陽』が強い凝集力を持つのは美しい「態度」のためだ。この映画は青春を要約し整理して解釈しようとせず、そのまま空に投げかける。青春そのものが事件で、葛藤で、狂った愛で、セックスで、暴力であり、仲直りだ。

「危ないからヘルメットをかぶれと言ったじゃないか!」(ガプバ)

「俺たち、けがしないために乗ってるんじゃないだろう。俺は分かっててもけがをするさ」(モギ)

この映画が終始ある光を放つように見えるのは、青春の闇も本当に「クール」に描かれるからだ。ガプバがモギに浴びせる最高の「呪い」の言葉はこのようなことだ。

「お前が何を考えているのか分からないが、俺はお前と最後まで一緒に行く」

『台風の太陽』の中では多くのものが互いに「対話」する。登場人物たちは、彼らがインラインスケートで通り抜ける公園の花壇や地下鉄の欄干、漢江(ハンガン)の橋をまるで友達のように眺めて慕ってそれで乗ろうとする。彼らは全身で一つ二つできる擦り傷を勲章のように威張るよりは、先が見えない自分の人生と交わす真摯な対話の通路に考える。各種の器物を危なげに上り下りする「アグレッシブなインラインスケーティング」が一過性のものに止まらず、主題に近付けるのはこのためだ。また、心を打つダルパランとパク・ミンジュンの音楽は、背景に後退するよりは、内容とうまくマッチして生き生きとした映画的リズム感を与える。

「なんでも仕事にすればつまらないの。好きなことは好きなレベルで終わらせなければならない」(モギ)

実は他のものはすべて逃しても、この映画で主人公4人は見逃すことができない。見るだけで涙が出るほど、彼らの体と彼らの考えはとても格好よい。

「お前、社会に不満があるのか」と言って、生水のペットボトルを口にしてゴクゴクと飲むキム・ガンウは、人を興奮させる魔術のような力がある。恐さ60%、好奇心30%、反抗心10%がまじったチョン・ジョンミョンの目つきは、保護本能を引き起こすと同時に、妙な男のにおいがする。チョ・イジンは最近、国内映画界が見つけた二重瞼ではない女優のうちで、最も大きな魅力を持っている俳優だろう。イ・チョンヒは今どき、正直で正しくて正当なことが男の魅力になり得るということを教えてくれてありがたい。

『猫をよろしく』のチョン・ジェウン監督演出。封切りは6月2日。映画観覧は12歳以上。



李承宰 sjda@donga.com