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根性のチャ・スンウォン 映画『血の涙』

根性のチャ・スンウォン 映画『血の涙』

Posted April. 13, 2005 23:39,   

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映画界の人々はチャ・スンウォン(35、写真)に対してこう言う。

「チャ・スンウォンは真摯な顔で荒唐無稽なセリフをはく。それで笑わせる」

『新羅(シンラ)の月夜』から『鬼が暮す』まで、コメディー俳優として地位を固めたチャ・スンウォンが、真摯な顔にマッチした役に挑戦した。19世紀初めの朝鮮(チョソン)時代の社会を背景にした歴史スリラー『血の涙』で、合理的な捜査官ウォンギュ役を演じたのだ。監督は2000年のデビュー作『バンジージャンプをする』で興行と批評すべてで成功した金デスン(38)監督だ。

コメディー演技の頂点から「未踏の道」を選んだチャ・スンウォンと、デビュー作と二作目、両方を成功させるのは難しいという韓国映画界のジンクスを破ろうとする金監督に12日午後、ソウル鍾路区新門路(チョンログ・シンムンロ)にあるイタリア・レストランで会った。

●冠(カッ)をかぶると2m… 血の涙は私の映画人生の勝負

昨年初め、『血の涙』製作会社であるジョウン映画の金ミヒ代表が金監督に会った。

「主人公のウォンギュ役にスンウォンさんが熱意を見せています」「ええ?… 考えてみます」

金監督は、内心「金代表が冗談を言っている」と思った。「冠をかぶると2mになる。どんな時代劇を撮るというのか」。しかし、チャ・スンウォンの熱意を高く買った金監督は、チャ・スンウォンの出演作を全部見た。そして、どうして彼がスターになったかが分かった。

「存在感がすごいんです。カメラをセッティングして他の人が立ってもアングルが変なんだが、スンウォンさんが入ってくると、それだけでアングルが輝きます。画面と作品を圧倒するパワーですね」

●監督と俳優の葛藤、そしてカンコーヒー仲直り

撮影初日。俳優の崔鍾元(チェ・ジョンウォン)が座ってスイカを食べていて、チャ・スンウォンはそばに立って対話をする場面だった。金監督は、チャ・スンウォンが気ままに腕を動かすことさえ許さなかった。ある日、チャ・スンウォンが金監督に酒を一杯飲もうと声をかけた。

「もう少し、私の自由にさせてくれませんか」「だめです」「どうしてそんなに独善的なんだ」「監督だから」。数日後、チャ・スンウォンがカンコーヒーを持って、金監督のところに来た。ウォンギュに対する解釈の違いから映画が向かう方向まで4時間かけて話して、葛藤が解決できた。

●完壁だけを追い求める無欠点主義者…。こんな根性の人は初めてです。

最近、京畿道高陽市(キョンギド・コヤンシ)にある映画総合撮影所内のスタジオで、チャ・スンウォンと金監督は同時録音のときに不十分だった部分を2日間ダビングした。終わったと思った金監督がトイレに行ってきたら、チャ・スンウォンが録音エンジニアを説得して、また録音をしていた。

また、撮影中に落馬して肋骨にひびが入ったチャ・スンウォンが、2階から落ちて転ぶ場面を撮影するときだった。監督はOKサインを出したが、チャ・スンウォンは元気なく落ちたと言って、10回も繰り返した。結局、ひびが入った肋骨は折れてしまった。

「こんな根性の人間は初めてです。底辺からトップにまで登りつめた理由が分かりました。本当にまじめな奴には歯が立たないというわけですよ」(金監督)

「うまくできなかったからですよ。この程度のこともしないんだったら、私は本当に悪者ですよ」(チャ・スンウォン)

●呼吸までも纎細… チャ・スンウォンとメロ映画を作りたい

映画の終盤、チャ・スンウォンと助演の朴ヨンウがお互いに高ぶって台詞を交わす場面。

金監督は「スンウォンさんが台詞の合間合間に呼吸の震えを表現するんですよ。粹なルックスの他に、こんな感情のディテールな面もあったんですよね」と感激した。

チャ・スンウォンは撮影現場で、顔に肉が付いて、筋肉の微細な震えがカメラに撮られないかと心配で運動を欠かさなかった。金監督はこんな彼とメロドラマ映画を作りたいと話した。

インタビューが終わる頃、チャ・スンウォンは「率直に言って緊張します」と打ち明けた。

「チャ・スンウォンをそのまま見れば、顔に『テンション』があるということが分かるんです。それを今度使ってみたんですが、… ふたを開けてみないと」

封切りは5月4日。映画観覧は18歳以上。



mindy@donga.com