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旧正月前後に公開される作品

Posted January. 24, 2005 22:57,   

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●正義実現対希望のマラソン

撮影のときから話題を集めた『公共の敵2』(27日封切り)がいよいよ公開される。韓国映画史に「観客1000万」という足跡を残した康祐碩(カン・ウソク)監督が『実尾島(シルミド)』後初めて公開する作品であると同時に、映画タイトルが社会的用語となってしまった『公共の敵』(2002年)の続編だ。以前の作品の輝かしい成功のために、観客の期待水準がその分高くなってしまったのがむしろ負担。康監督は1本目が雑犯水準の「ただ悪いやつ」を描いたのだとすれば、2本目に登場する悪漢こそ韓国社会というシステムの存続を脅かす本当の『公共の敵』と区分けする。殺人、殺人教唆、横領、外貨不法搬出、わいろ供与、不正な兵役免除…。表では社会を指導する名士。しかし裏では多くの罪を犯しても何ら憚るところのない超強力な「公共の敵」ハン・サンウ(鄭俊浩)。それに対し、大韓民国の正義実現を双肩に背負った「スーパーヒーロー」カン・チョルジュン検事(ソル・ギョング)の正面対決だ。

同日に封切りをする『マラソン』は、懲らしめるカタルシスの代わりに人間勝利のドラマで涙腺を刺激する。自分の殻に閉じこもって暮す20歳の自閉青年・趙承祐(チョ・スンウ)が、マラソンを通じて世の中に向かっていく過程を描いた。ここ数年、脚光を浴びて大衆スポーツになったマラソン、不屈の母性と家族葛藤の治癒、逆境の克服という純度の高い感動コードに加えて、ミュージカル係の興行俳優趙承祐が出演したのが 『マラソン』の強み。高いトーンの声で自然に自閉青年を演じる趙承祐が引き出す笑いと涙の強みが手強い。

噂もなく静かに製作、完了し突然公開される『あの時その人々』(2月3日封切り)は、映画以前に社会的イシューになってしまった。韓国現代史に消すことのできない日である1979年10月26日の宮井洞(グンジョンドン)の夜を描いたこの映画は、現在上映禁止仮処分申請となっている。映画公開後にも「事実の再現なのか諷刺か」という論争を避けることはできなさそうだ。

『B型ボーイフレンド』(2月3日封切り)はSBS『パリの恋人』で、韓国女性が「夢に描いた王子様」に一躍浮上した李ドンゴンと、昨年KBSドラマ『朗朗18歳』で一緒に演じたハン・ジヒェが主人公。血液型の性格テスト、B型男性に対する先入観などトレンディーな素材を青春スターを通じて描いた。李ドンゴンがチムジルバン(韓国サウナ)で寝食をしながら、車だけはスポーツカーに乗らなければならないスタイル重視の青年事業家ヨンビンを演じる。旧正月封切りの韓国映画のうち、10代の観客までが気軽に見られる唯一のロマンチックコメディーというのが強み。

●キアヌ・リーヴス対ジュード・ロウ

『マトリックス』の救援者ネオが、今度は若者と人間界を出入りしながら善と悪のバランス維持に忙しい魔物ハンタージョン・コンスタンティンになった。2月8日封切りする『コンスタンティン』は、製作国である米国より先に韓国で世界で初めて公開される。人間の形をした混血天使と混血悪魔を選り分けることのできる天才的な能力を持ったコンスタンティンは、自分の運命から逃避するために自殺を選ぶが、また生き返えた後、自分に予定されていた地獄行きを兔れるため、悪魔たちを地獄に送りかえすことになる。善と悪、天国と地獄という奥深い主題をギャングスター映画のようなアクションで描いている。

一目ぼれした運命的な愛は、一生にたった一度だろうか。運命的愛の有效期間はどれほどだろうか。運命は偶然だろうか。それとも企画されることだろうか。ジュリア・ロバーツ、ジュード・ロウ、ナタリー・ポートマン、クライブ・オーウェン出演の『Closer(クローサー)』(2月3日封切り)は、すでにポートマンとオーウェンの2005年ゴールデングローブ助演賞受賞に作品の完成度を評価された状態。新聞の訃告担当記者であるロンドンの青年ローは、出勤途中に出会った米国出身のストリップダンサーのポートマンと一目で愛に陷る。

クリスマスシーズンに先を争って封切りされたアニメーションの座に、ドリームワークスが出した『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』(27日封切り)が、家族用ファンタジーアドベンチャードラマで登場する。デニス・クエイドが主演した『フライト・オブ・ザ・フェニックス』(2月4日封切り)は死の危機で不死鳥のように飛びあがる飛行機の名前。ゴビ砂漠の真ん中に飛行機が墜落して乗客10人が辛うじて生き残るという話。自分は飛行機設計者だと主張する生存者エリオットは、飛行機の残骸を集めて新しい飛行機を作ろうと提案するが…。

ごった返す旧正月の映画館を避けて、静かさを楽しもうとする芸術映画趣向の観客にも逃避先はある。ベルナルド・ベルトルッチを含めて8人の巨匠監督がたった10分間を使って人生の多面的な姿をスケッチした『10ミニッツ・オールダーイデアの森』(27日封切り)は、芸術映画専用映画館であるソウル鍾路区東崇洞(チョンログ・トンスンドン)ハイパーテックナダ1ヶ所で上映される。久しぶりにニューヨーカー、ウディ・アレンのおしゃべりも聞くことができる。2003年作である『Anythiing Else』(2月4日封切り)でアレンは友達の恋人と愛に陷って友情も忘れて恋人とも別れる物心のついてない幼い友達の恋愛相談で慌ただしい。いつものように彼のきらめく賢明さは、ぐずぐずしたおしゃべりに埋もれやすいため、よく耳を傾けなければよく聞こえないという。



鄭恩玲 ryung@donga.com