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映画「その時、その人々」のぺク・ユンシク

映画「その時、その人々」のぺク・ユンシク

Posted January. 12, 2005 22:59,   

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朴正煕(パク・ジョンヒ)元大統領が殺害された10・26事件を描いた映画『その時、その人々』が上映(2月3日予定)もする前から話題を呼んでいる。朴元大統領の息子の志晩(ジマン)さんが「故人の名誉を傷つける可能性がある」として最近、上映禁止仮処分申請を裁判所に出したからだ。朴元大統領を殺害した金載圭(キム・ジェギュ)元中央情報部長役のぺク・ユンシク(58)は「この役を引き受けるかどうか、かなり悩んだが引き受けることにした」と話した。10日、彼に会った。

○「現代史取り上げた作品なので悩んだけど、引き受けることにした」

——10・26をどのように考えますか。

「私は実際、その当時青年期を送った者です。当時私は俳優10年目でした。朝、道を歩いていて、新聞号外を見てわかりました。かなりショックを受けました。ありえない事だと思いました。また、あってはならないことだとも思いました。本当に不幸な国だと当時は思いました」

——保守と革新の構図に分かれた最近の国内の状況から、映画の上映をめぐり、議論が起きていますが。

「あまりに近い現代史を扱った作品だったから選択する時、かなり悩みました。しかし、克服しました。そのようなことを一々意識しすぎると、いい演技ができなくなります。私は本来、『政治』という言葉もいやな人間です」

ぺク・ユンシックは同年代の同僚演技者と違い、ミュージック・ビデオやインターネットポータルサイトの広告などに出る程、若年層には「新鮮で多少猟奇的な」俳優として認識されている。彼はこのような反応の理由について「私が(映画という食べ物)に栄養分のある良い材料になったのは、楽天的な私の性格のためだと思います。また、タイミングが良かったのもあるでしょう。この材料でおいしい食べ物を作ったのは、頭の良い監督たちです」と話した。

——この映画が朴元大統領の名誉を傷つけたという主張もありますが。

「俳優の立場で答えられるような内容ではないと思います。ただ、私はそのことについては悲しい歴史的事件であり残念に思っています」

——「金部長」をどのように分析しましたか。

「俳優が演技をするのは、歌手の歌をまねすることとは違います。私は創作活動をするアーティストの立場で忠実に演技をするだけです。当時の記録は一切参考にもしませんでした。あるモデルに従ったわけでもありません。素材のみ事実から持ってきただけで、私は完全に映画の中の人物になりました。本(シナリオ)を読んでみたら、私のキャラクターは「淡白」、「率直」、「たんたん」という言葉で表現できると思いました。しかし、(金部長の)キャラクターは本当に演技をすればするほど難しかったです。誰かに答えを求めることもできないですね。シナリオの人物に私が栄養注射を打っていくしか方法はありませんでした」

——「金部長」を演技してみたら、その人物を理解できるようになりましたか。

「そうするしかなかった部分もあったでしょうが、無謀なことをしたとも思いました」

○憎めないキャラクター、ぺク・ユンシク

『地球を守れ』(エイリアン役)、『犯罪の再構成』(詐欺師役)など、最近の映画で彼の役とキャラクターは2つの共通点がある。ひとつは、決して父親の役をしないという点だ。しかし、もっと重要な点は「本当は悪者だが、その時、その瞬間だけは素直な人に見える」点だ。

これについて彼は「結局、私が『非主流』だということでしょう。しかし、私は悪者でも憎めないキャラクターを表現します。私は本当は善良な人で法律が要らないくらいの人間なんです。いつも不利益をこうむる方ですから」と笑いながら話した。



李承宰 sjda@donga.com