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アイ・ラブ・ユ

Posted December. 06, 2004 23:03,   

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舞台より舞台「裏」が余計気になる公演がある。4人の男女俳優が60人のキャラクターを消化するミュージカル「アイ・ラブ・ユ」がまさにそのような作品だ。男女の愛を20編のエピソードで作ったため、5〜10分置きに舞台を転換しなければならないスタッフと、着替えの必要な俳優たちで、舞台裏は大騒ぎだ。舞台裏をを覗き込んで見たところ…。

「(開幕まで)あと5分です。スタンバイして下さい。」

3日午後7時55分。助演出のコ・ヒョンジュ氏が真っ暗な舞台裏を歩き回りながら叫んでいる。

舞台裏にある3m幅の狭苦しい空間でもっとも広く場を取っているのは、俳優別の衣装が掛かっている4つのハンガー。1人当たり15〜17着の衣装がかかっている。

舞台裏のスタッフは、演出、助演出、「転換手」(舞台の転換および小道具担当)3人、「ドレッサー」(衣装チーム)2人、「ヘアー」(扮装チーム)1人、マイク技術者1人の計9人。

「ドレッサー」李シネ氏は「なにしろ“クイック・チェンジ(Quick Change)”の多い作品なので、思い切って舞台裏に衣装室を準備することにした」と説明した。

開幕30秒前。浴衣姿の4人の俳優、李ジョンファ、オ・ナラ、ナム・ギョンジュ、チョン・ソンファが控え室を出る。8時。助演出が指示する。「ゴー (go)。」

舞台裏にできた30度ぐらいの隙間から、演技する俳優たちの横姿が垣間見られる。スタッフたちは、小さなモニターを通して公演の進み具合を眺める。

「ライトアウット。」

舞台が暗転された途端、慌てふためいて駆けつけてきた俳優たちが服を脱いで、髪を解きながらハイヒールを蹴飛ばす。一瞬の間に上半身用のコルセットとパンツ姿になった李ジョンファとブラジャー姿のオ・ナラに「ドレッサー」たちが次の衣装を着せる。「転換手」たちは、舞台の上を忙しく行き来し、次のセットを準備する。

次のシーンのないナム・ギョンジュは、のんびりと服を脱ぐ。ズボンを下ろすや、その前の場面で穿いていただぶだぶのトランクス・パンツが現れる。それまで脱ごうとして、記者と目が合い、にっこりと笑いながら言った。

「下に『アンダーパンツ』を穿いているから平気です。」

ナム・ギョンジュは、次の場面から中年のお父さん→ホームショッピングのホスト→ピザの出前持ち→やもめの罪人→結婚式の神父の五つのキャラクターに次から次へと「クイック・チェンジ」しなければならない。舞台裏にまで来る時間さえないので、最初から2枚のズボンを着重ね、暗転を利用して舞台で脱いだりもする。

もっとも忙しい場面は、第1幕の最後の結婚式のシーン。ストップウォッチで時間を計ってみたら、舞台裏に入ってきた新婦役のオ・ナラがウェデングドレスを着てかつら、花輪、イアリング、白い手袋にブーケまで手にした完璧な新婦に変身するのにかかった時間はわずか23秒。

第1幕が終わった。休憩室で4人の俳優に会った。

「着替えるのが演技よりしんどいです」(李ジョンファ)。「記録更新といわんばかりに時間を短縮したときは、興奮するんです」(オ・ナラ)。「気が急いでいて、最初はズボンのジッパーもあげそこなった」(チョン・ソンファ)。「脱いだ女優の体ですか。ただのものとしか見えないんです」(ナム・ギョンジュ)。

午後10時。観客の拍手とともに舞台上では俳優たちの、舞台裏ではスタッフたちの「1人多役」が無事終わった。

火〜金午後8時、土午後4時8時、日午後3時7時。ソウル鍾路区蓮池洞(チョンノグ・ヨンジトン)のヨンガンホール。2万〜4万5000ウォン。02-501-7888



康秀珍 sjkang@donga.com