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雪…お酒…スキー…雪国が呼ぶ「新潟県」

雪…お酒…スキー…雪国が呼ぶ「新潟県」

Posted November. 29, 2004 22:58,   

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日本を訪れる外国人の主な関心は東京、大阪、京都、奈良に集められる。東京、大阪は広く知られた大都市で、京都、奈良は日本伝統文化の宝庫で日本人にも特に重要な所であるため当たり前の事だ。しかし、美しい日本の風景や日本人らしい生活ぶりを見ようとすれば、それぞれ違う形で暮す地方に目を向けなければならない。

東北地方南側の日本海と山岳に面した越後(福島、山形、宮城、新潟県)と羽越(秋田、山形、新潟県)地方はやや特別だ。大地に根付いて豊かな自然とともに暮すこちらの生活は現代人には心の故郷とも感じられるからだ。その越後、羽越地方でも南側新潟県は、東京から新幹線で2時間と近くて立ち寄るにもいいし、2時間距離の韓国とは直航便が週に5便も往復する所なので日程を組むにも良い。

●雪国の故郷

「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった。夜の底が白くなった。」

日本最初のノーベル文学賞受賞作である小説『雪国』の最初のところだ。旅館に長期滞在しながら文を書くことが好きだった作家川端康成(1899〜1972)が、この小説を書くために訪れた所は今はスキーの名所になった湯沢の小さな温泉村。険しい山岳の湯沢に行くには東京で羽越線の汽車に乗って、群馬と新潟両県の境になる巨大な山岳のトンネルを通過しなければならない。長さがなんと9.7kmにもなる清水トンネルは小説の最初のところに出てくるまさにそのトンネルだ。

先月、地震の渦中に川端が雪国を執筆した旅館「高半」も少しの被害を受けたという報道があった。1月取材で行って来た所でもあって心配になって聞いたらコップがいくつか割れて壁にひびが少し入っただけで大丈夫だと言った。幸いと言わざるを得ない。

70年が経った今の建物は木造からコンクリート造りに変わっても、相変らずこの旅館の2階には当時の執筆室がそのまま保存されている。◆アクセス〓東京で中越新幹線に乗って越後湯沢駅で下車。宿泊費は1泊(2食付き)に1人当り1万2000〜1万5000円。

●日本酒の故郷

新潟県の地図を見ていたら、本州とその形がよく似ていることに驚く。北西側だけ海(日本海)に接し、残りは山岳に囲まれた姿で、北東の方は越後山脈、南東の方は三国山脈と上信越山脈、そして日本アルプスなどだ。

新潟の雪はまさにこの海と山岳の合作品だ。海の多湿な空気が山岳にぶつかって上昇しながら多くの雪を降らせる。その雪が溶けて川を成して海に流れこむ。日本最高と指折り数えられる新潟清酒と「新潟コシヒカリ」の米はまさにこの水で生まれる。日本最高という「新潟コシヒカリ」米が生産される所は新潟、高田平野。この米粒を使い、雪が溶けて染みこんだ地下水でお酒を仕込むことで、日本銘酒に指折り数えられる「久保田」「越の寒梅」が生まれる。県内はおよそ99ヶ所の醸造場がある。◆酒の陣伝統酒フェスティバル〓新潟県の韓国事務所ホームページ(www.niigata.or.kr)に問い合わせ。02—773—3161

●雪祭りの故郷

「雪祭りと言えば、多くの人は北海道の札幌を思い浮かべる。しかし、稲荷町(市)も札幌の同じ年(1950年)にスタートしたから、やっぱり元祖だ。むしろ一週間先に始めたから敢えてどこが先かを考えれば、当然稲荷町だと住民たちは言う。

稲荷町は小説『雪国』の舞台である高半旅館がある越後湯沢駅から自動車で30分の距離の素朴な農村。2月、祭りを見に行った時、町中が各地から来た日本人の観光客で混んでいた。ここの雪祭りは札幌のものとは多くの面で違っている。超大型の雪像が、数百mの大通り公園と広い真駒内自衛隊練兵場を覆う派手な札幌と違い、稲荷町の高校運動場と山の中腹の空地など小さな都市の20ヶ所余りで素朴に行われるという。

●スキーの故郷

新潟の湯沢温泉を訪れた日。巨大な山岳に取り囲まれたこの谷を自動車で走れば周辺の風光と地形がオーストリア・アルプスのチロル州にあるアールベルグ谷によく似ていることに気づいて驚いた。アールベルグはチロルの州都インスブルックから汽車で1時間ほど離れたチロルアルプスの深い谷でサンアントン、サン・クリストフ、レッヒなど世界的なスキー村があるスキー場地域。なかでもサンアントンはアルパインスキーが初めて生まれた所だ。

1911年オーストリアのある軍人が日本にスキーを持ってきて伝えるとき、ここ湯沢の山岳を訪れた理由ははっきりしている。故郷とあまりにも似ている地形と風景、そして豊かな雪のためだ。彼はテオドルフォン・レルヒー大領で、今は彼の銅像がこの山を見守っている。

新潟県のスキー場は計85箇所。なかでも最高は苗場だ。筍山(1789m)北東斜面のスロープにはリフト38個にスキートレールが28個ある。頂上の近くでは10月下旬から除雪された雪でスキーを楽しむ。夜間スキーもある。スキー場の情報は新潟県の韓国事務所ホームページを参照。



趙誠夏 summer@donga.com