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韓日の若手監督が語る両国映画の力 対談・ソン・ヘソンと岩井俊二

韓日の若手監督が語る両国映画の力 対談・ソン・ヘソンと岩井俊二

Posted October. 13, 2004 23:07,   

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韓国人だったが日本人の英雄になったレスラー力道山の人生を描いた映画「力道山」、日本の実写映画としては最も多くの韓国人が見た「ラブレター」。釜山(プサン)国際映画祭で「力道山」のメイキングフィルムを披露したソン・ヘソン監督(40)と、「ラブレター」以後、新作の「花とアリス」を持って釜山を訪ねた岩井俊二監督(41)が9日、釜山海雲台(ヘウンデ)のあるホテルで会った。

二人の監督は似ている。年は1歳差、二人とも俳優顔負けのハンサムな顔なのだが、撮影現場では頑固になる。岩井監督の新作、「花とアリス」は国内で11月12日封切られる。100億ウォン以上の制作費が投入されて、60%が日本で撮影された「力道山」は、12月15日封切り後、来年6月ごろには日本でも上映される予定だ。

●「韓国映画発展の原動力は熱烈なファン」

▲ソン・ヘソン(以下ソン)〓最近の韓国映画をどう見ているのか。

▲岩井俊二(以下岩井)〓韓国映画の発展は映画産業に対する国レベルの支援と優秀な監督、熱狂的なファンのおかげだと思う。

▲ソン〓個人的には韓国映画の不均衡を残念に思っている。日本では80歳が過ぎた監督も現役として活動している反面、韓国は40代になると、早くも消え始める。産業は大きくなったが、監督は短命で、資本は豊かになったが、(映画を作る)精神はなくなった。

▲岩井〓日本にも日本映画だけ見るマニア観客がいる。しかし、黒澤明監督など年取った巨匠たちのマニアだ。恥ずかしい事だが、日本の若い監督は自分のマニア層を作り出せずにいる。

▲ソン〓韓国監督は多くの作品を演出できる機会が源泉的に封鎖されている。商業性に振り回される韓国の雰囲気を勘案すれば、私には(演出する)時間があまり残っていない。(笑)

▲岩井〓満足を知らないのが監督の運命らしい。彼らはいつも「いいえ」と言う。これが監督の道ではないか。

●「日本の監督も簡単に手を出せない敏感な歴史」

▲ソン〓新作「花とアリス」も岩井監督ならではの水彩画のような映像に10代の純粋な恋と思い出をちりばめている。岩井監督の画面美学と敏感な感受性は、韓国の監督たちにも少なくない影響を与えた。私にはそうした作品は絶対できない。「パイラン」、「力道山」、結局いずれも戦いと裏通りの暗い風景だ。

▲岩井〓メロ映画ばかりやりたいわけではない。お金が問題だ。今も他のジャンルのシナリオがあるが簡単でない。

▲ソン〓力道山を韓国の監督が演出することについてどう思うか。

▲岩井〓非常に敏感な作業になりそうだ。うちの父親の世代にとって力道山は日本の英雄だった。この映画を通じて多くの日本人がその時代をまともに見て感じられるようになってほしい。

▲ソン〓刺される覚悟で映画を撮った。(笑)

▲岩井〓疑問に包まれている力道山の死を勘案すれば、10年、20年前だったら力道山は絶対映画化できなかったはずだ。あなたは韓国と日本で一番敏感な歴史の一部に飛び込んだ。

▲ソン〓私の描いた力道山は英雄ではない。英雄的な姿もあるが、強迫観念から逃れるため、麻薬もやって女も殴る。日本の観客はどうして力道山が英雄でないかと首を傾げるかも知れない。

▲岩井〓だからこそ映画になるのではないか。英雄なら映画にする意味がない。隠されている話まで盛り込まなければならず、それが監督の役目だ。



金甲植 dunanworld@donga.com