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映画の中のソウル 

Posted September. 10, 2004 22:19,   

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「もうすぐ新年だ。私は30歳になるまでには、人生の二つの宿題のうち、一つは解決できると思った。仕事に成功するか、結婚するか。今、私は相変わらず仕事に成功できないシングルでいる」

29歳の同い年の会社員の愛と友情を誇張せずに描き、女性観客たちから好評を受けた映画「シングルス」の最後のシーン。30歳直前の冬の夜。路頭に立っていたドンミ(オム・ジョンファ)はナナン(チャン・ジニョン)が現れると、寒いのにずいぶん待たされたと怒った。

30歳が目の前だが、二人とも仕事も愛も夢見ていたとおりにはならなかった悲しい現実。ファッション・デザイナーになりたかったナナンは外食事業部で働いており、ドンミは嫌がらせをする上司をこらしめた後、辞表を出して家内創業をした。ナナンは結婚してニューヨークへ行こうという恋人と別れ、ドンミは「自発的な未婚の母」になって父親のいない子供を産もうとする。

しかし、それでも二人はりりしい。ぐずぐず言うドンミを慰めようと、ナナンがいたずらをし始め、そして一緒に踊り、ふざけながら通りを走る。続くナナンのナレーション。

「いいじゃない?40歳ぐらいには何とかなってるよ。30歳、もう一度始めるんだ。ナナン、頑張れ!」

映画の中の通りも、二人の「職業的に成功できなかった未婚女性」に暖かい機運を伝えるようだ。木にいっぱい飾りつけられたイルミネーションがきらめき、歩道は広々としている。

ドンミとナナンが走って行く歩道は、オリンピック大路の隣のソウル松坡区蚕室洞(ソンパグ・チャムシルドン)のロッテ・デパート〜ロッテ・ワールド〜ロッテ・マートの前の道。幅15m以上の広い歩道だ。

歩道の所々に設置された花壇には、動物の模様のトピアリーがあり、チャンスン(道端に立てて距離を示したり、村の守り神として村の入口に立てておく男女一対の木像)と水車の模型も設置してある。ロッテ・マートとロッテ・デパートの1階に入ったレストランが、歩道にテーブルと椅子を出して露天カフェを運営し、「歩く味」を増してくれる。

ロッテ・ワールド周辺の並木にイルミネーションを付ける作業は11月初めから始まる。この時に付けられる小電球は約250万個。木の健康に良くないという指摘もあるが、目を楽しませてくれるのは事実だ。実際、映画の撮影も年の瀬の02年12月末に行われた。ラストシーンであるこの場面を撮るのに7時間もかかった。

蚕室洞は朝鮮時代に、養蚕のため桑を栽培した所。実は、「蚕室」は特定地域の地名ではなく、「カイコを飼う所」を意味する普通名詞だ。朝鮮時代には国が運営する蚕室である蚕室都会が3カ所あったが、今の蚕室洞には東蠶室があった。昔も今も、この一帯は綺麗な働く女性たちが多い通りなのだ。その他に、瑞草区蚕院洞(ソチョグ・チャムォンドン)に新蚕室、西大門区延禧洞(ソデムング・ヨンヒドン)に西蚕室があったと言う。

地下鉄2、8号線蚕室駅の4番出口を出るとすぐに、チャン・ジニョンとオム・ジョンファが走った通りを歩くことができる。デートコースに持ってこいの石村(ソクチョン)湖水にも5分で行ける。

(アドバイス=ソウル映像委員会 www.seoulfc.or.kr)



張康明  tesomiom@donga.com