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性と笑いの「ラブゲーム」 映画「誰にも秘密はある」

性と笑いの「ラブゲーム」 映画「誰にも秘密はある」

Posted July. 29, 2004 22:19,   

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ロマンチック・セクシー・コメディーを標榜した映画「誰にも秘密はある」の「秘密」は、性と笑いのバランスだ。

ある男の人と3姉妹の愛は、韓国映画ではもっとも「あけすけな」水準の素材だ。もし、この作品がもっぱら性のみに重きをおいたならば、ありきたりのエッチな映画に成り下がったに違いない。一方、笑い一筋だったならば、見どころもなく、「口先だけでしゃべる」、性に関する冗談ばかりに終始する中身のない映画の一つに葬り去っただろう。

「誰にも…」は、韓国で商業映画を作る人々(監督 俳優 製作者)ならば、誰もが悩む性に対するアプローチのやり方と悩みの深さが読み取れる。結果的にこの作品が選んだ性と笑いの「カクテル」は、黄金比率までは行かなくても、ずいぶんと満足な「味」がする。

同作品を引っ張っていく原動力は、完璧な「男前」スヒョン(李・ビョンホン)と3姉妹が、それぞれ抱えている秘密だ。

映画は「女性の初恋を満足させるのは、男性の最後の愛だけだ」(ミョン、金ヒョジン扮)、「愛は雷のごとくやってきては、霧のごとく消え去る」(ソンヨン、チェ・ジウ扮)、「オ、自由よ!あなたの名前で、罪悪が犯されているんだ」(チンヨン、チュ・サンミ扮)の3姉妹にふさわしい格言をテロップで示し、彼らのキャラクターとこれからやってくる「ラブゲーム」の色合いをうかがわせる。

ミヨンの言い回しによると頭が切れて、財布は張り、外見も非の打ちところがないのにも事足りず、性格もあっさりさっぱりで、色っぽさまで兼ね備えたスヒョンが、3姉妹の前に現れた。彼は、「買い物は愛ではないが、愛は買い物だ」と主張する自由奔放な末っ子ミヨンに「正直君がほしいが、君の心が準備できるまで待つ」と言う。文学少女タイプの2番目のソンヨンには、知的な様子でアピールし、夫の無関心に疲れた人妻の長女チンヨンにはプライドに目覚めさせ、彼女たちを自分の虜にする。

映画でスヒョンは、3姉妹と超えてはならない線をいずれも越えているが、そのセクスはリアリティーよりはユーモアな挿画に近い。素材がきわどいものほど、笑いを強く誘うべきだという製作陣の現実的な判断からだ。

同作品の「映画的なオルガズム」は、画面ではなく、ある男性に出会ってから変わってくる3姉妹の心理と感覚的なせりふだ。映画は、ミヨンが家族みんながそろっている場で、スヒョンにプロポーズする場面を繰り返して見せ、残りの姉妹たちの「同じ」男性に対する「異なる」記憶を呼び出す。

映画で、李ビョンホンは妙な魅力を放つ。それは、現実の李ビョンホン、映画俳優として形成されたイメージ、映画の中のスヒョンの姿が飛び交って生まれたもので、浮気者ではあるものの拒否しがたい彼ならではの香りだ。アイルランドの映画「アバウットアダム(About Adam)」をリメークした作品で「家門の光栄」の金ヨンチャン、「実尾島(シルミド)」「菊の香り」の金ヒジェが脚色を受け持った。「歩いて天まで」「ゲームの法則」「ライバング」のチャン・ヒョンス監督が演出。30日公開。18歳以上観覧可。



金甲植 dunanworld@donga.com