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本を読んで顔を上げると青い北漢山

Posted July. 23, 2004 22:02,   

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「初キスをすれば、耳元で鐘の音が聞こえるんだって」

1980年代の学生時代の思いでを温かい視線で描いた映画、「お行事ゼロ」でミンヒ(イム・ウンギョン扮)がジュンピル(リュ・スンボム扮)に言った言葉だ。

映画の中でジュンピルとミンヒが勉強を言い訳にしてデートし、初めてキスをした所はソウル鍾路区花洞(チョンログ・ファドン)の正読(ジョンドク)図書館だ。

ここは元々、甲申政変の主役である金玉均(キム・オクギュン)、徐載弼(ソ・ジェピル)らの家の跡地だった。1938年、京畿(キョンギ)公立中学校(京畿高校)が建てられ、1976年京畿高校が江南(カンナム)に移転してから、正読図書館が新しく建てられた。今は文化財庁登録文化財であるが、建築当時は鉄筋コンクリートとスチームの暖房施設が整えられた最高級の建物だった。

映画で模範生のミンヒは、ムンドク高校の「第一人者」ジュンピルの手を引っ張って、この図書館に入る。続くジュンピルのセリフ。

「きょう学校で本当に一生懸命勉強したんだ。7時間目にはHR(特別活動)もやったんだから」。

図書館を出るとき、ジュンピルの顔には机に伏せて寝たため、寝癖ができていた。遅くまで勉強して疲れていないかとミンヒに聞かれると、ジュンピルは「習慣になっているから大丈夫」と答える。

学校最高のならず者も異性交際は苦手な時代だった。正読図書館の庭先のベンチで2人は並んで座って、照れくささに戸惑う。実際、正読図書館の庭先の造景はどこの近隣公園にも劣らない。図書館建物の前には噴水台があって、広々とした庭先には結構大きな池や円頭幕、水車もある。

映画でジュンピルとミンヒは正読図書館のベンチに座って、ジュンピルの服のサイズが99なのか100なのかについて軽く言い合っているうちに、お互いに不思議な気持ちに包まれて結局キスに成功する(2人が口を合わせる瞬間、小さく鐘の音が聞こえる)。

このベンチは屋根に藤が伸びて、夏にもかなり快適で美しい。正読図書館のシーンは8月に撮影したので、いまごろ行けばちょうど映画の中の背景が見られる。

80年代も今も図書館で「異性の友だちとデートもして勉強もする」カップルが多いが、服装や愛情の表現は今がはるかに大胆なようだ。

キスシーンを撮っていた当時、リュ・スンボムは女ヤクザの「ナヨン」に扮したコン・ヒョジンと本当の恋人同士だった。それで、コン・ヒョジンは自分の撮影分がないのに、撮影場に出て恋人を待ったという。リュ・スンボムも徹夜撮影のかたわら、スタッフと離れているコン・ヒョジンのところへ行って、話を交わすなど優しい姿を見せたとか。

キスシーンはさまざまな角度で撮らなければならないので、午前4時になってようやく撮影が終ったという。

正読図書館を訪れるカップルたちは庭だけにいないで、図書館3棟の後ろにある木工所の横のところを軽く散策するのもよさそうだ。地帯が高くて南山タワーから北漢(ブクハン)山に至る眺めが良い。

正読図書館の向こう側にはソウルアートシネマ(旧アートソンジェセンター)があり、近くに景福(キョンボク)宮、秘苑(ビウォン)、北村韓屋村と仁寺(インサ)洞など名所が多い。

地下鉄3号線安国(アングク)駅から歩いて7分の距離、無料入場。インターネットホームページhttp://www.jeongdok.or.kr



張康明 tesomiom@donga.com