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東南アジアでの韓流ブームの生き証人

Posted July. 20, 2004 22:47,   

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日本や中国、東南アジアでの「韓流ブーム」は、一人や二人のスターの活躍でできたことではない。マーケティングと広報に、付加価置を高めるための加工作業など「見えない」幾多の努力が加わって成り立ったのだ。ケーブル英語放送「アリランテレビ」の映像物輸出支援センターの金テジョンセンター長(42)は、このように裏で韓流ブームを作ってきた人の1人だ。

韓国のテレビ番組を海外輸出向けに加工して輸出を支援することが彼の業務だ。翻訳と字幕処理、販売網の確保などを支援する。1998年末、同センターが初めてできたときからセンター長を引き受けてきたから、彼は1990年代末に始まったアジア韓流ブームの生き証人であるわけだ。

大げさに「支援センター」という名前が付けられているが、社員と言っても彼を含めてたった3人。しかし、これまで海外に輸出された韓国テレビ映像物の90%以上がこちらで加工された。翻訳と字幕処理はもちろん、外国語ダビング作業前のビージーと效果音を分離する作業まで行う。アジア韓流ブームを主導した『秋の童話』『星は私の胸に』『オールイン』『人魚お嬢さん』はもちろん、最近日本でペ・ヨンジュン・シンドロームを生んだ『冬のソナタ(恋歌)』も、同センターで同様の過程を経て輸出された。

金センター長が「映像物の輸出支援」業務を初めて引き受けたときは、テレビ映像物の海外輸出に対する認識そのものがほとんどなかった。外国バイヤーはME(ビージーと效果音)の分離作業を要請したが、「上の人」たちはそれには加工費用がかかるという事実が理解できなかった。そのため、初期には翻訳や字幕処理、ダビング作業をすべて輸入者側がするという場合にだけ、輸出が成立した。

しかし、韓流ブームとともに映像物の輸出に対する認識も改善して、1998年1000万ドル水準にとどまっていた韓国テレビ映像物の海外輸出額は、昨年には4200万ドルまでに急成長した。このため、映像物支援センターの仕事も増えて、昨年同センターで再加工などを支援した番組は計1500本程度、1050時間分量に至る。

しかし重要なことは、このような数値ではないというのが金センター長の説明だ。韓国テレビドラマや映像物が韓国のイメージ向上に与える效果は、数値で換算できないほど大きいというのだ。

「実は、テレビドラマほどその国の文化を海外に広く広報することができる手段はないのです。数十億ウォンをかけて国家広報物を製作して放送しても、その效果はドラマ1本にも及ばないでしょう」。

金チーム長は最近、アジアに偏った韓流商品輸出市場の多角化に関心を寄せている。先月は東欧市場を回って来た。国内で人気を呼んだドラマ『オールイン』の版権を放送社から購入して、今年の下半期からアルバニア、ルーマニア、ボスニアなど東欧諸国に無料で提供して、これらの国の国営放送で放送することにした。1999年にある独立製作会社が地上派放送用3部作で製作したものの、放送社側が1部だけを放送して中断した『癌、征服できるのか』と題した漢方医学関連番組の南米輸出を支援して、現地で爆発的な反応を得たこともある。

「中小製作会社が作った番組のうち、放送社に納品されたものの、なんらかの理由で放送されなかった番組は少なくないのです。その中には輸出してもよく売れるものが多いのですが、零細な製作各社は放送社に納品するとき、放映権とともに版権までまとめて渡してしまうことが残念です」

金チーム長は韓流ブームを持続させるためには、視聴率を意識して放映回数を増やした連続ドラマなど完成度の低い番組を押し出すように輸出してはいけないという指摘も付け加えた。

国内で法学を専攻してオーストラリアに渡り国際関係学を勉強した金チーム長は、留学時代に音楽月刊誌『客席』の特派員活動をしたほど、文化に対する関心が高かった。韓国文化商品の輸出支援を「仕事」に選んだのも決して偶然ではないと言える。

金チーム長はこの頃、外国に出てみると、自然といい気分になると言う。自分の手を通して輸出した韓国映像物の影響力を実感することができるからだ。「韓国の漢方医学番組を視聴した南米の癌患者が、韓国に希望の眼差しを向けているのですから、仕事にやり甲斐を感じないわけにはいかないでしょう」。



woogija@donga.com