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跳ね上がるスクリーン・ギャラ

Posted April. 20, 2004 22:35,   

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資金は一ヵ所に集まる。だが、俳優がいない。

最近の忠武路(チュンムロ)の雰囲気である。韓国銀行によると、03年映画産業の売上は3兆7780億ウォン。97年の1兆2572億ウォンに比べて3倍以上急成長した。昨年末から始まった「実尾島(シルミド)」、「太極旗(テグクキ)」に続く「1000万観客」の流れは資本の流入を加速化させているが、肝心の「Aクラスの俳優」をキャスティングするのはそう簡単ではない。自然に俳優のギャラも跳ね上がり、制作会社は「手に残るものがない」とこぼしている。スターのギャラの上昇傾向とその裏面に迫ってみた。

●映画産業の売上3兆7780億ウォン

「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョンは現在最高のギャラが保証されている女優の一人。6月に封切りされる「女友達を紹介します」でチョンのギャラは4億ウォン前後。所属マネージメント会社の「サイダスHQ」の子会社「アイ・フィルム」が制作しなかったら、ギャラはさらに跳ね上がっただろうというのが映画界の噂だ。

「サイダスHQ」のチョン・フンタク代表は、「10億ウォン出すという新生制作会社もあったが、チョン・ジヒョンがカネだけで作品は選ばないだろう」と述べた。制作会社の信頼度や監督の演出能力などが俳優が出演を決心する決め手であり、映画規模を考慮して所属俳優のギャラは4億ウォンを超えないように決めたというのがチョン代表の説明である。

「人魚姫」、「女は男の未来だ」の投資、制作会社である「ユニ・コリア」のチェ・ソンミン代表は、「資金は増えたが、過去のように『何も聞くな』式の投資形態で飛び込む『目がくらんだ資金』はなくなった」とし、「シナリオと監督がよくても、『スター・パワー』がなければ投資者を説得するのが容易ではない」と語る。制作能力が立証されていない新生制作会社が巨額を提示し、俳優をひきとめようとする理由がここにある。

●男優は宋康昊、女優は全度姸が特急クラスの待遇

現在最もギャラが高い俳優は宋康昊(ソン・ガンホ)。宋はまもなく撮影に入る「南極日記」で固定ギャラ5億ウォンと興行成績によって収益を配分されるランニング・ギャランティである「+α」を受け取ることになった。「花咲く春が来ると」のチェ・ミンシク、「力道山」の薛景求(ソル・キョング)もそれぞれ4億7000万ウォン+αと、ギャラ額4億ウォンを記録した。

一時、「興行保証小切手」と呼ばれ昨年初めて5億ウォンのギャラを受けた韓石圭(ハン・ソックキュ)も新作「緋文字」で固定ギャラ3億ウォンなど、計5億ウォンの待遇を受けた。

チケット・パワーと演技力を全て備えた彼らの「特A級」を中心に、朴重勳(パク・チュンフン)、張東健(チャン・トンゴン)、クォン・サンウ、ベ・ヨンジュン、李チョンジェ、劉五性(ユ・オソン)などが3億5000万〜4億ウォン台のAクラス俳優群を形成している。

映画「マルジュクコリ残酷史」とドラマ「天国の階段」の成功でキャスティングの標的にされていたクォン・サンウは「新婦授業」で4億ウォン+αで、軽く4億ウォン台を超えた。「マルジュクコリ」の出演料が2億7000万ウォンだったことを考えればギャラが爆発的に上がった。

「太極旗(テグクキ)」旋風で人気集めをしている張東健、ウォン・ビン、「スキャンダル、朝鮮男女相烈之事」で映画界にデビューしたベ・ヨンジュンも前作の興行成功と東南アジアや日本での商品性が高いという理由で、将来特A級のギャラをもらえるものと評価されている。

女優では全度姸(チョン・ドヨン)、チョン・ジヒョン、チャン・ジンヨンが3億ウォン台のギャラでトップクラスの代表格。全は「人魚姫」で3億3000万ウォン+α、チャン・ジンヨンは「チョンヨン」で3億ウォンを記録した。「共同警備区域JSA」、「贈り物」、「春の日は過ぎ行く」の李英愛(イ・ヨンエ)もドラマ「大長今(テジャングム)」の勢いに乗じて映画に出演すれば、Aクラスの待遇を受けられるものと見られる。

●ランニング・ギャランティがギャラの引き上げをあおる

俳優のギャラ上昇にはランニングギャラが一役買っている。ランニングギャラは97年韓石圭が「シュリ」に出演した時に導入してから、もはや主演はおろか助演俳優にまで一般化された。

だが、「LJフィルム」の李スンジェ代表は、「初期投資の危険を分ける代わりに、興行に成功すればその実を分けようというのがランニングギャラの趣旨であるのに、悪用されている」とし、「現在の状況は俳優が高額のギャラはそのまま手にし、ランニングギャラは『おまけ』で受け取る、おかしな形」と述べた。

李ムンシク、ソン・ジル、李ウォンジョンなどいわゆる、「主演クラスの助演」のギャラも急上昇した。01年の「ダルマさん、遊ぼう」で1000万ウォンだった李ムンシクは続編の「ダルマさん、ソウル行こう」では10倍の1億ウォンを受け取った。両作品の出演者の数は似ているが、俳優のギャラは6億ウォン台から13億ウォン台に飛び上がった。

●康祐碩監督のガイドライン?

俳優のギャラが持続的に急上昇している中、相対的にギャラが小さく、ランニングギャラの契約を結ばない「シネマサービス」の契約原則が今後も持続的に守られるかどうかに関心が集められている。事実上、同会社の配給、制作能力を掲げた「康祐碩(カン・ウソク)監督のガイドライン」なわけだ。

シネマサービスが制作した作品の出演者のうち最高の待遇を受けた俳優は「実尾島」の薛景求で、3億5000万ウォン。薛景求と最近「幽霊が住む」のチャ・スンウォン(3億ウォン)は4億ウォン台の出演料が可能だが、シネマサービスの作品を選択したことで相対的な不利益に甘んじたケース。

ギャラ論争は解けない「謎々」のように見えるが、参考にできるケースもある。張東健は02年に純制作費7億ウォンの低予算映画「海岸線」(金基鄹監督)に出演し固定ギャラ5000万ウォンとソウル観客50万人を超えると観客1人当たり500ウォンずつ受け取るランニングギャラ契約を結んだ。6月に封切りされる「クモの森」(宋一坤監督)の純制作費は14億5000万ウォン。

「いい映画」の金ミヒ代表は、「俳優のギャラは作品の規模と予算にしたがって連携させるのが正解だ」としながら、「俳優のギャラが純制作費の30%に及ぶ現在の制作環境では映画が収益を出すことは困難だ」と述べた。



金甲植 dunanworld@donga.com