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サガジない主人公がヒットする?

Posted April. 15, 2004 23:06,   

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テレビと映画にいわゆる「サガジのない(マナーのない、礼儀をわきまえないこと)」主人公が相次いで登場し、人気を集めている。礼儀をわきまえず、マナーのないことを意味する「サガジ」が最近は魅力的な主人公を意味するようになった。

これは、若い世代が否定的な単語や言葉の意味を消し、良いイメージをその上に上塗りしてそれを積極的に流通させる「ファン(FUN)文化」に起因するもの。「非正常で奇怪な」という意味の「猟奇的」という言葉が「個性があって、おもしろい」という意味に変わったのに続き、今回は「サガジのない」という言葉の意味が変わった。

映画やテレビの中で主人公は「サガジのない」相手を「サガジ」と呼びながら、「お金持ちで、情にもろくて、魅力的な理想」というイメージを上塗りして使っている。これは若い世代の新しい「文化コード」として受入れられている。

○ インターネット小説からスタート

「サガジ」の意味変形は、00年初めから若い世代のトレンドを反映したインターネット小説から始まった。『屋上部屋の猫』(キム・ユリ)、『1%の何か』(ヒョン・ゴウン)、『愛しのサガジ』(イ・ヘン二ム)など、テレビドラマや映画で製作されたたこのインターネット小説には、例外なく、「サガジのない」主人公が登場する。

彼らに対するイメージは否定的なものではない。若者の間では「お金持ち」〓「悪人」という両極端の認識がほぼなくなり、むしろ「富」が羨望の対象になったため、「サガジ」を「マナーはよくないが、カッコよくて、心暖かい」キャラクターとして「消費」しようとしている傾向が強くなった。

これは1986年、映画としても製作された李賢世(イ・ヒョンセ)の漫画『恐怖の外人球団』に出てくるマ・ドンタックのイメージとは正反対であることから、時代の変化を反映したものと見られている。この漫画には「金持ちの息子〓サガジのない〓冷たい〓嫉妬の化身〓悪人」という等式でストーリが続く。

○「サガジ」はお金持ちだ?

映画『同い年の家庭教師』(03年)には、お金持ちの長男で落第生の高校生ジフン(クォン・サンウ)が登場する。彼は家庭教師の女子大生のスワン(金ハヌル)にぞんざいな言葉使いはもちろん、授業中にたばこまで吸う。スワンにこう言ったりもする。「そのまま2時間、適当に時間つぶして帰って。お金あげるから」

1月上映した映画『愛しのサガジ』で、ヒョンジュン(キム・レウォン)は名門大学の法学部に通っているブランド族。自分の外車レクサスに傷をつけた女子高生ハヨン(河智媛)に「300万ウォンを弁償しろ」という。彼は「お金がない」というハヨンの学校まで追いかけ、奴婢文書に署名させる。それ以後、時間も場所も区別しないヒョンジュンの呼び出しが始まり、ハヨンは、家政婦、ショッピングコンパニオン、レポート作成、洗車、家のお手伝いまでさせられる。ヒョンジュンは「お金もあるようだから今回だけ大目にみてほしい」というハヨンにこういう。「僕、超貧乏なの」

5日放送されたMBC(文化放送)月・火ドラマ『ブルセ』の主人公ジウン(イ・ウンジュ)も交通事故を起こしたが、相手のセフン(イ・ソジン)に謝るどころか、自分の赤いスポーツカーを心配する。かえって被害者のセフンを大声でののしる。友人はジウンに「あなた、また、サガジないことしたでしょう」という。

○「サガジ」は暖かい?

彼ら「サガジ」が愛されているのは、表向きには無礼だが、心は純粋で、人々の同情心を引き起こすからだ。

SBS(ソウル放送)のドラマ『バリで起きたこと』(3月終映)で財閥2世のジェミン(チョ・インソン)は、スジョン(河智媛)に強いふりをするが、見えないところではいつも涙を流す。彼は愛のために財閥の後継者もあきらめたが、結局、自殺する。

MBCの『屋上部屋の猫』(03年年7月終映)でお金持ちの孫キョンミン(キム・レウォン)は同居するようになったジョンウン(チョン・ダビン)を怒らせてから、何もなかったかのように、「ご飯くれ」という。しかし、心ではジョンウンを一番心配している。

ドラマ『ブルセ』のイ・ウンギュ責任プロデューサーは「最近は、多くの人が自身を率直にさらけ出し、自分の分を取ろうとしているため、他人の自己中心的行動にも寛大になった」として、「むしろ、あまり模範的な人に違和感を感じているため、『サガジのない』主人公を作り出しているのかもしれない」と話した。



李承宰 趙慶福 sjda@donga.com kathycho@donga.com