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[オピニオン]WFPの食糧袋と金正恩の笑み

[オピニオン]WFPの食糧袋と金正恩の笑み

Posted November. 18, 2015 07:17,   

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平壌(ピョンヤン)子供食料品工場を現地指導した金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が白いガウンを着て、両手をわきにおいて得意満面な表情で笑う様子を北朝鮮メディアが報じた。金第1書記は、世界食糧計画(WFP)のマークがついた袋に穀物を入れる設備の前に立っていた。WFPが北朝鮮の子供に支援した食糧なのか、袋だけリサイクルなのか、北朝鮮メディアの報道だけでは知るよしもない。北朝鮮は、指導者がうつる写真や映像は丁寧に検閲し、操作までする国なので、このような場面を公開した意図が気になる。

◆2000年10月23日、米国のオルブライト国務長官は平壌楽浪区のジョンベク第2幼稚園を訪れた。栄養状態が良くない子供たちの前には、「USA wheat」と書かれた小麦粉の袋が積まれていた。米国の救援物資を前に、子供たちは緊張した様子で歌を歌い踊った。これについてオルブライト氏は、「私は北朝鮮を訪問した最初の米国務長官であり、子供たちと一緒にリズムをとった初の長官だ」と微笑んだ。現場を取材した私は、過去、米国の援助物品を受けて同様の感謝公演をした韓国側世代が思い出され、複雑な心境だった。

◆WFPが北朝鮮の子供と妊婦のために2013年7月から国際社会から募った栄養支援事業の金額が8890万ドルと目標額1億6780万ドルの約53%にとどまった。今年は、ロシアが600万ドルで最も多く支援し、スイス(593万ドル)、オーストラリア(230万ドル)、韓国(200万ドル)、カナダ(160万ドル)、中国(100万ドル)の順だが、北朝鮮を支援するには不十分だ。核とミサイルで国際社会を脅かす北朝鮮に財布を開く国が多いはずがない。

◆市場経済が活性化し北朝鮮の食料事情が良くなったというが、平壌から離れた辺境ほど食糧難は相変わらずのようだ。慢性の栄養不足で痩せた北朝鮮の子供たちは、統一後、大韓民国の国民になる未来世代だ。北朝鮮は、韓国の人道的な北朝鮮支援の意思表明に応じてこなかった。金第1書記の太った姿に痩せた北朝鮮の子供たちがオーバーラップする。

韓起興(ハン・ギフン)論説委員eligius@donga.com



eligius@donga.com