Go to contents

[オピニオン]人民元の「3大通貨」の崛起

[オピニオン]人民元の「3大通貨」の崛起

Posted November. 17, 2015 07:06,   

한국어

第2次世界大戦が終戦に向かっている1944年7月、米国や英国など44か国の連合軍の代表たちが、米ニューハンプシャー州ブレトンウッズに集まって、新しい戦後の国際通貨秩序を決めた。寿命の尽きた金本位制の代わりに、米ドルを基軸通貨にして、金と連携させる金本位制を導入するのが柱だった。米国が金とドルとの交換を中止した1971年8月の「ニクソンショック」で、ブレトンウッズ体制は幕を閉じたが、その後も、ドルは世界最大の基軸通貨の座を守ってきた。

◆「ニクソンショック」に先立って、1960年代後半、米国の国際収支の赤字急増や欧州及び日本の経済成長で、世界通貨秩序は危機を迎える。国際取引に必要な流動性需要は増えているのに、金の生産には限界があり、ドルを供給すると、米国の赤字が拡大し、ドルの信頼度が落ちるというジレンマが膨らんだ。この問題を打開するための金融補完策が、国際通貨基金(IMF)が1969年に導入した特別引出権(SDR)だ。

◆IMF加盟国は、国際収支が急激に悪化すれば、担保なしにIMFから一定の限度内で、SDRを引き出すことができる。有形通貨ではないが、SDRの価値は主要通貨の相場を加重平均する「標準バスケット方式」で決まる。5年ごとにSDRバスケットに含まれる通貨をレビューするが、現在は、ドルやユーロ、ポンド、円で構成されている。

◆2025年まで、人民元をドルと競争する基軸通貨に仕立てるという中国の野心が、いよいよ目前に迫っているような気がする。IMFは30日、執行理事会で人民元をSDR通貨バスケットに追加する方針を固めた。人民元が国際通貨に格上げされるわけであり、人民元の崛起、さらには中国金融の崛起を意味する。人民元がドルの覇権を壊して、重要基軸通貨に位置づけられるためには、壁や限界が多い。しかし、人民元が「5大基軸通貨」に公式に進入して、その影響力はドルやユーロに次ぐ「3大通貨」に浮上する可能性が高まっていることを受け、グローバル経済・金融秩序に大きな波紋を及ぼすのは目に見えている。韓国も外貨保有高の運用や貿易決済の通貨の多角化などの対応策作りを急がなければならない。

權純活(クォン・スンファル)論説委員shkwon@donga.com