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[オピニオン]「朴槿恵の限定版」

Posted November. 10, 2015 07:26,   

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最近、限定版マーケティングがブームだ。数日前、ソウル市庁近くのマクドナルドの前を通り過ぎると、長い列ができていた。マクドナルドのロゴの入ったキティ人形の限定版を買う人の行列だった。その日の夜、帰宅してテレビのニュースを見ると、ソウル明洞(ミョンドン)のファーストファッション店H&Mの前が、徹夜までしてショッピングをする人々で混み合っていた。有名ブランドのバルマンとの合作限定版の服を買おうと必死な姿だった。

◆「朴槿恵(パク・クンヘ)時計」も限定版と言える。むろん、大統領の時計は販売用に製作されたわけではない。しかし、時計を手に入れた人がネットのオークションサイトに出品し、値段がつけられる。「朴槿恵時計」はなかなか手に入らず、出品されれば朴大統領が現職であるにもかかわらず高値で売れる。朴大統領は自分の名前3文字が入った物がむやみに出回ることを嫌い、時計の贈呈を制限しているという。歴代大統領が支持者に時計をばらまいたのとは対照的だ。

◆大統領の弔花が国家に特に貢献したわけでもない人の葬儀に置かれることを朴大統領は嫌うという。そのため、歴代大統領に比べて弔花を送ることも少ない。そのため残念に思う人も少なくなく、弔花まで大統領がチェックするのかという声もなくはない。朴大統領が、与党セヌリ党の劉承ミン(ユ・スンミン)議員の父、劉守鎬(ユ・スホ)元議員の葬儀に弔花を送らなかったことで憶測が飛び交っている。これが限定版政策のためなのか、国会法改正をめぐって衝突した劉議員をまだ不快に思っているからなのかは分からない。

◆限定版マーケティングは、ブランドのオーラとそれ相応の忠誠度を生み出す。しかし、限定版マーケティングも行き過ぎれば副作用を生む。朴大統領は夕方に人に会うことも限定版で、長官の対面報告も限定版だ。劉議員の父親の葬儀の件では、喪主が「弔花は受けつけない」と言ったので送らなかったと大統領府は説明する。しかし、参謀の中で誰も弔花を送った方がいいとオーラの強い朴大統領に言う勇気がなかったのではないだろうか。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員pisong@donga.com



pisong@donga.com