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[オピニオン]習近平先生と馬英九先生

Posted November. 09, 2015 07:20,   

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7日に開かれた中国と台湾の初の首脳会談で、中国の習近平国家主席と台湾の馬英九総統は「先生」と呼び合った。それぞれが正統性を主張し、相手を国家と認めないことによる苦肉の策だ。中国で「先生」は、英語の「ミスター」や韓国の「氏」のような一般敬称だ。韓国で「先生」は教師や専門知識を持つ人を高めて呼ぶ言葉でもあり、大人を称することもある。

◆朝鮮時代に先生は、学識と徳望の高い人にだけ付ける呼称だった。昔話に、3人の領議政が1人の大提学と釣り合い、3人の大提学は1人の先生、3人の先生は1人の処士と釣り合うと言った。領議政は朝鮮時代の最高位で、大提学は正二品だったが、大提学は学問の最高権威者として終身勤務する名誉な官職で、尊敬を受けた。この大提学よりも尊敬を受けるのが先生で、先生よりもさらに尊敬されるのが、学識も高く、生涯野にいて官位に就かず暮らす処士だった。昔のソンビたちの価値観がうかがえる。

◆相手をどう呼ぶのかは政治的な関係設定で重要な機能を果たす。野党新政治民主連合の李鍾杰(イ・ジョンゴル)院内代表は3年前、ツイッターに朴槿恵(パク・クンヘ)大統領を「クニョン」と書き、今回恥をかいた。朴大統領が大統領府5者会合で「印象もいいのに、あの時はなぜ『クニョン』、『チョニョン』とおっしゃったのですか」と言うと、「すみません」と慌てて謝った。2010年、当時、李明博(イ・ミョンバク)政府とハンナラ党の朴代表の対立が激しくなると、李東官(イ・ドングァン)広報首席が「朴槿恵氏」と言い、親朴から激しい攻撃を受けた。

◆分断から66年経って初めて開かれた今回の会談で、両国は「一つの中国」を追求しつつ、解釈と名称は各自処理することを決めた「1992年合意」を再確認した。統一を目指しながら分断の現実を認める政策だ。「血は水よりも濃い」という習主席の言葉は、韓国人も好んで使う。中国と台湾は、今年人的往来だけで1000万人を突破する勢いだ。韓国は先月、約500人の離散家族が3日間会っただけで再び別れた。両岸関係がうらやましい。

申然鐏(シン・ヨンス)論説委員 ysshin@donga.com



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