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[オピニオン]クーパンの「ロケット配送」と創造的破壊

[オピニオン]クーパンの「ロケット配送」と創造的破壊

Posted November. 05, 2015 07:08,   

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世界最大手のソーシャルネットワークサービス(SNS)会社・フェイスブックの勢いが尋常ではない。2日の時価総額は2910億ドル(約329兆ウォンに)に膨らみ、3000億ドル以上の情報技術(IT)企業群を意味する「テククラブ」入りが迫っている。フェイスブックを利用した新しいビジネスモデルが注目を集め、フェイスブックとeコマース(電子商取引)との合成語であるFコマースという新造語までできている。フェイスブックが電子商取引のほか、検索やネットバンクへと事業を拡大したことを受け、産業間領域破壊が行われている。

◆オーストリア学派の経済学者ヨーゼフ・シュンペーターは、技術革新で古いものを破壊、淘汰させ、新しいものを創造して変革を引き起こす「創造的破壊」が、資本主義のダイナミックさをもたらす重要要因だと見込んだ。「創造的破壊」は100年前で出てきた言葉だが、技術の発展速度が速い21世紀に、より一層を重みを帯びて迫ってきている。IT産業が発展し、伝統的な産業毎の仕切りが崩壊する様子が、いたるところから現れている。オンライン上での買い物がオフラインの流通業界を脅かし、この過程で、従来の事業者らとの衝突が起きているのも、このような事例だ。

◆国内ソーシャルコマース会社・クーパンの「ロケット配送」は、全国的に物流システムを構築し、社内の人材を使って顧客に直接配送する方式だ。注文や販売は流通業者が、配送は宅配業者が担当してきたこれまでの流通や物流システムを取り壊しているので、「ロケット配送革命」という言葉まで出ている。消費者らは注文した商品を、24時間内に受け取ることができ、価格も安いので、人気が高まっている。直撃を受けた物流業界は、ロケット配送サービスは、貨物自動車運輸事業法違反だと告発し、法的争いが繰り広げられている。

◆クーパンのキム・ボムソク代表は2017年まで、「ロケット配送」に1兆5000億ウォンを投資し、配送時間を2時間へと繰り上げ、3万9000人の職員を新たに採用すると明らかにした。国民の共感を得る行動であり、物流業界の抵抗を真っ向から突破するという意味として受け止められている。ロケット配送を巡る法的議論とは別に、創造的革新が時代の流れを反映していない法規によって遮られることになれば、消費者の便益や韓国経済のために望ましいことではない。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com