Go to contents

[オピニオン]米国の「菊クラブ」も失望した安倍談話

[オピニオン]米国の「菊クラブ」も失望した安倍談話

Posted October. 01, 2015 07:27,   

한국어

日本の皇室の花は桜ではなく菊だ。ルーズ・ベネディクトの著名な日本文化研究書「菊と刀」の菊はここから生まれた。実際に存在するクラブがあるわけではないが、米国の知日派知識人のことを「菊クラブ」と呼ぶ。ハーバード大学教授で1960年代に駐日大使を務めたエドウィン・ライシャワー氏が菊クラブの元祖になる。オバマ政府で初の国家情報局(ONI)局長を務め、引退後に笹川平和財団理事長を担うデニス・ブレア氏も菊クラブに属しているといえる。

◆笹川平和財団はワシントンの主要なシンクタンクで、日本関連のセミナーやカンファレンスの主催や後援をしている。過去、笹川財団と呼ばれた日本財団との関係から見れば、日本財団のワシントン事務所といったところだ。日本財団は、第2次世界大戦のA級戦犯の容疑者として3年間収監されて釈放された笹川良一氏が、競艇事業を始めてその収益金で設立した財団だ。慈善団体だが、思想的に安倍晋三首相の母方の祖父である保守政治家、岸信介の理念に追従する。

◆ブレア理事長が、安倍首相の戦後70年談話を「責任回避で一貫した残念な文書」と批判した「理事長メッセージ」を最近、笹川平和財団のホームページに掲載した。ブレア理事長は、20年前の村山談話は主語が明らかな能動態を使ったが、安倍談話は頻繁に主語の分からない受動表現を使ったうえ、くどくも論理的でないため、責任の所在がはっきりしないと一喝した。そして、「安倍首相自身の謝罪はどこにあるのか」と問い、「安倍首相は支持者を教育し、他国を安心させる機会を逃した」と失望を露にした。

◆ブレア理事長の発言に特別なことはない。日本の侵略史を知る人なら誰でも安倍談話を聞いて感じた当然の考えを言ったまでだ。韓国人や中国人だけが被害意識のためにそのような反応を見せたのではない。日本を理解しようと努力する人々ですら安倍談話に失望したという事実が改めて確認された。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com