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[オピニオン]松餅とスーパームーン

Posted September. 30, 2015 07:33,   

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18年ぶりの「スーパームーン」だった秋夕(チュソク、陰暦8月15日)の連休が終わり、日常に戻った。カロリーを考えずに名節気分で松餅を食べ、増えた体重を心配する人もいるだろう。生活が苦しく、名節は夢見ることもできずに過ごす人もいるだろう。それでも、スーパームーンを眺め、家族の健康と幸福を祈った人が北東アジア全域で多かったはずだ。韓国の秋夕と中国の仲秋節は同じ性格の名節だ。日本では陽暦8月15日がお盆だが、陰暦8月15日にも中秋の明月を鑑賞する玩月風俗がある。

◆大きな十五夜の月の下で食べるものは、韓中日で異なる。米粉を練って松の葉と一緒に蒸した韓国の松餅(ソンピョン)は半月の形だ。一方、中国の月餅と日本の月見だんごは、十五夜の月のように丸い。月餅は英語で「moon cake」と言うが、西洋のケーキの起源も月や太陽のように丸く作った古代の祭事の食べ物だ。漢字では「松餅」。松の餅という意味なので、名前も丸い月を連想させない。

◆三国史記によると、百済の義慈王の時、宮廷から発掘された亀の甲羅に「百済は満月、新羅は半月」と彫られていた。占い師は、これを百済が傾き、新羅は隆盛すると解釈し、新羅で松餅を半月の形に作り始めたという。中秋のルーツが新羅の嘉俳とは、松餅の由来に納得が行く。ただ、朝鮮時代にも慕華に浸って松餅を中国の月餅と競うことができず、中国の端午に食べるちまきに引き分けたとか、松餅に含まれた国力の意味を考えさせる。

◆「三放世代」(恋愛・結婚・出産を諦めている若者世代のこと)には名節は苦しかっただろう。いつからか、家族行事で家の若者に「結婚はいつするのか」、「仕事は決まったか」といった質問はタブーになった。しかし、質問しなくても心配する眼差しは隠せない。「三放世代」が挫折せず、今必要なものを満たしていき、満月のように豊かな生活を送ってほしい。半月の形の松餅には十五夜の月という未来の期待が込められている。

韓起興(ハン・ギフン)論説委員eligius@donga.com



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