Go to contents

[オピニオン]50歳以上だけがスポーツ英雄?

[オピニオン]50歳以上だけがスポーツ英雄?

Posted September. 26, 2015 08:23,   

한국어

金姸児(キム・ヨンア)選手が大韓体育会が行った2015年スポーツ英雄のネット上投票で圧倒的な差でトップについたが、最終選定過程で脱落した。その代りに、元国際オリンピック委員会(IOC)副会長の金雲龍(キム・ウンヨン)氏やレスリング・五輪金メダリストの染正模(ヤン・ジョンモ)氏(62)、元バスケットボール代表の朴信子(パク・シンジャ)氏(74)が、今年のスポーツ英雄に選ばれた。大韓体育会は、昨年までに存在していた50歳以上という年齢制限を撤廃し、「スポーツ英雄を国民が直接選んでほしい」と呼びかけたが、結局、国民を騙したことになる。

◆金姸児が脱落したのは若いからではなく、ネット投票結果の反映率が10%に過ぎなかったというのが大韓体育会側の釈明だ。さらに、スポーツ英雄を選ぶ趣旨は、スポーツ発展に生涯をささげた長老を敬うことで、後輩スポーツ人たちの鏡にするためだという。それなら、50歳以上という年齢制限を撤廃して、いらぬ誤解を招いたりせず、最初から、国民にスポーツ英雄ではなく、「生涯功労賞」の受賞者にふさわしい人を選んでほしいと呼びかけるべきだった。

◆金雲龍氏は選手出身ではないが、ソウルオリンピック招致や跆拳道(テコンドー)の五輪種目採択など、スポーツ外交分野で大きく貢献した。しかし、一時期は業績を上げた人でも、生涯を通してその手柄を潰さずに過ごすことは容易ではない。金雲龍氏は2005年、世界跆拳道連盟の公金を横領した罪で、最高裁判所で懲役2年に追徴金7億8000万ウォンの判決を受けた。その金氏が鏡になる人物かは疑問だ。国際社会でも、IOCや国際サッカー連盟(FIFA)委員の不正に巻き込まれた関係者への批判が強い。

◆大韓体育会は、若者たちとの疎通にも失敗し、かえって旧態をさらけ出した格好だ。年齢制限を撤廃したと言っては、事実上年齢制限を復活させたのは、試合途中にルールを変更も同然だ。何はともあれ、スポーツ英雄だけは、大半の国民が共感できる人物でなければならない。大韓体育会の金正幸(キム・ジョンヘン)会長は、大韓体育会長も経験した金雲龍氏の直系と言われている。どう見ても、公正な選定とは言えない。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com